きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

PENTAS観光実践マネジメント講座 ホテル観洋 阿部憲子さんのリスクマネジメント

 

こんにちは。
講師で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

昨日は、山梨県立大学を中心に学生と社会人が学ぶ
講座 PENTAS YAMANASHIで
私が講師を担当しています「観光実践マネジメント講座」の3回目。

南三陸ホテル観洋の女将・阿部憲子さんに
ゲスト登壇いただきました。
 

 

 

東日本大震災によって、
800人もの尊い命が犠牲になった南三陸。
町全体で62%、中心部の80%を失いました。


もともと憲子さんとは取材でお世話になっていた私は
どうにも気になって仕方なく、
震災から3カ月後の2011年6月にホテルへ向かいました。

 

町は、壊滅という言葉通りでした。
これが現実なのか…と呆然とし、
ただ手を合わせることしかできませんでした。


ホテルは電気こそついていましたが、
まだ水も出ていない時でした。

にもかかわらず、憲子さんはとびきり明るいのです。
笑い声がきらきらと魔法の粉のように思えます。

私は本当に胸を打たれました。

それは「負けない、あきらめない」
という覚悟の姿に見えました。

 

~  ~  ~

南三陸は、現在では、美しい海が戻り、

ホテルではめちゃめちゃ美味しい食事、
海を臨む開放的な露天風呂、町の観光と、
めいっぱい楽しめるエリアです。
ホテルが独自で毎朝運行する「語り部バス」は
学びの時間として超おすすめ。
仙台駅から無料送迎バスもありますよ。
ぜひ足を伸ばしてほしいです。


~  ~  ~

さて、観光業には、
命を預かり守る仕事という一面があります。

また、未曾有のときこそリーダー力が欠かせませんし、
地域とともに生きる観点も必要です。
すべてを実践されてきた憲子さんの話は、
観光リスクマネジメントのど真ん中でした。

☆ 初期対応が重要であること。
☆心を強く持つこと。
☆地域の人口流出を防ぐ担い手との意識を持つこと。

ほかいくつものの教訓をいただきました。

~  ~  ~

日本は地震列島であり、
気候変動も他国と同様、逃れられません。

災害はどの地域でも起こり得ることです。

憲子さんは常日頃から、
社員一人一人の特性を観察したり、
災害ニュースがあれば
「自分だったらどうするだろう?」
とイメージトレーニングしてきたそうです。

 

3.11から私は毎年、憲子さんを訪ねて
南三陸の旅を続けているので、
語り部バスにも毎回、乗っていますし、
憲子さんから直接お話をたびたびお聞きしていますが、

講義として改めてお話をうかがうと、
涙なしには聞けませんでした。

すさまじい未曾有の災害を穏やかに語ってくださるので、
ここに行きつくまでに
いったいどれほどの哀しみや葛藤があっただろうと
その思いを想像すると、胸がふるえました。

 

震災から3か月後、2011年6月に訪ねたときの一枚。
女将の阿部憲子さん(右)の明るさは希望でした。
意識してそういう姿を周りに見せていらしたと思います。

 

このときにいただいた南三陸名物「きらきら丼」。
憲子さんが考案・命名されました。
まだ蛇口から水も出ないうちにレストランを再開したんです。
魚屋さん、八百屋さん、おしぼり屋さんもこれによって
動き出すことができます。人口流出を少しでも防げます。
グラスを洗わなくていいように、水は紙コップです。
この丼一杯に込められた思い――。

2011のきらきら丼を忘れることはありません。



憲子さん、胸を打つ講義をありがとうございます。

この話が役立たない平穏な日々を送れることを願いつつ、
いざというときには、ちゃんと思い出して
命を守るために役立てます。

 

講師で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。


阿部憲子さんは赤い表紙の①でご紹介しています。
女将さんのこころ 
おかみ3巻の表紙-文字大.jpg

 

ホテル観洋の女将・阿部憲子さんと対談しました!

www.youtube.com

 

 

エンパス ~共感力が人並み外れて高いあなたへ~

こんにちは。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の
瀬戸川礼子です。

YouTube.png

106回目は隔週で配信しているLIVEでした。

テーマは
「エンパス ~共感力が人並み外れて高いあなたへ~」

本編は05:09からです。

www.youtube.com

 

「エンパス empathは病気ではなく、生まれ持っての特性で、
人並み外れて共感能力の高い人を指します。
 
例えば、
・相手の気持ちや考えがわかってしまう。

 嘘なんか、めっちゃわかっちゃう。

・命令や規範の多い場所が苦手。

・映画やドラマで、暴力的、悲しい、怖い場面は苦手。

・弱い立場の人を探して支援したくなる。

・神聖な場所や歴史的な場所に行くと、
 そこにいた人の感情が押し寄せてくる。

・植物に対して深い親近感がある。

・体調の悪い人のそばにいると、同じ症状を感じてしまう。
などなどです。


私は、共感能力が高いのは素晴らしいと思いますが、

それだけに疲れてしまうこともあるのです。
 
今回のYouTube【幸せに働き生きるヒント】では、
ご自身もエンパスであるアニータ・ムアジャーニさんの本
繊細さは、これからの時代の強さですにある
34項目の「エンパス診断テスト」も行いました。
 
事前に出版社ナチュラルスピリット社さんに
電話してOKをいただいています。
ありがとうございます!
 
文字でテストしたほうが分かりやすいので
ぜひ本も手にされてくださいね。
対処法なども掲載されていて有益です。

エンパス診断テスト(英語の原文)はアニータ・ムアジャーニさんHPに。
https://www.anitamoorjani.com/empath-quiz
~  ~  ~
なぜ、「エンパス」をテーマに取り上げたかは
動画10:10~ をご覧いただければうれしいのですが、
先日の京都出張のふとしたタイミングで、
私がエンパスだったことが分かったからです。
 
そして、「だから私はそうなのか」と安堵できたし、
5人に1人の確率で存在するということなので、
これはぜひ多くの人に教えて差し上げたいと思ったのでした。
 
動画はこちら。

 

では、ここからは動画では語り切れなかった
【おまけブログ】です。
 
◆エンパスの真逆はサイコパス
共感性が人並み以上に高い「エンパス」と真逆なのが
共感性がないまたは著しく低い「サイコパス」です。
 
もし、あなたの気持ちを全く理解してくれない人がいて
あなたが傷ついているのであれば、
検索でサイコパスを調べてみてください。
いろいろ種類があって、どれかに当てはまるかもしれません。
 
相手を治すことはできませんが、
「だからあの人はあんなひどいことを平気で言うのか」と、
多少は言動の理由を理解でき、
「悪いのは自分じゃなかった」と安堵できるかもしれません。
で、その人からはできるだけ離れましょう。
 
 
◆「おまえはもう死んでいる」
「おまえはもう死んでいる」と言ったのは、
『北斗の拳』のケンシロウですが、
「私は半分 死んでいる?」と
私は自分で思うことがあるんです(笑)。

いえ、深刻な話じゃないんですよ。
人生楽しいので絶望の話じゃなくて、
なんというか…、
半分は別次元から世の中を観ている感覚があるんです。
 
なので、養老孟司さんの本のタイトル
『半分生きて半分死んでいる』を見たとき、
気が合うな!って僭越にも思ったりしました(笑)。

そしたら、今回の動画で紹介した本
繊細さは、これからの時代の強さです
エンパス診断テスト」の中に、
まさにこの感覚も書かれてあり「そうそう!」と。
私はこの感覚に苦闘はしていませんけれども、
「だからなのか~」と腑に落ちたわけです。
 
 
◆植物を擬人化してとらえる
これも動画で見てもらえるとうれしいんですけど
私は植物に強い親近感があり、大好きで、
ずっと前から、植物を擬人化してとらえるたちです。

人間と植物。普通の人が感じるような境目があまりなく、
植物だから痛みも悲しみもない、とは思えないのです。
 
人間と全く同じレベルとは思わないけれど、
でも、もしかすると、ある側面で言えば、
植物のほうが人間よりも感性が高いかもしれません。
 
レストランの観葉植物の土がカラッカラだと
すごーく辛くて、私まで乾いた気分になり、
お店の人に「お水をあげてもらえませんか」と
言うこともあります。
 
近所の植木鉢の朝顔がカラッカラで
今夜中に枯れてしまう…と感じたときは
家まで戻ってペットボトルのお水をあげたことも。
 
また、植物を種から植えると、
強い芽を残すために間引きという作業が必要で、
生まれたての命を引っこ抜かないといけないから、
私は種から育てることはできません。
同じような理由で園芸店で働くことも無理だと思います。
これもエンパス診断に含まれた項目にあって、
そうだよね~と、納得しました。
 
 
◆カーチェイスや暴力シーンは無理
映画が好きでよく観るのですが、
最近はamazon primeなどサブスクを
テレビで観ることがもっぱら増えました。
 
で、これだと早送りができるので、
以前から、全っ然 楽しいと思えなかった
カーチェイス、暴力的なシーン、
あと自分の許容範囲を超えでハラハラする場面は、
それほどしょっちゅうするわけじゃないけど、
早送り対象です。
制作側はこういう場面にお金を使っているはずだけど
私にとってはエンターテインメントにはならず、
むしろ辛くなっちゃうので、こういう時は早送りして
ほかの安全な(笑)場面を楽しみます。
 
 
◆人を傷つけたこと・助けられなったことが辛すぎる
 
多くの人が抱く感情だとは思いますが、
自分の不用意な言動で人を傷つけたとか、
傷つけたかもしれないという場合、
本っ当に胸がぎゅっと、非常に、たまらなく苦しいです。
いたたまれない感覚が長く続きます。
 
あと、パーティ会場なんかで、
ひとりでぽつんといる人が気になります。
人との会話中もそういう人を目で探していることがあり、
声をかけたいけど、私が会話中だからそこを離れられず、
そうこうしている間にその人は帰ってしまったという場合、
何もできなかったな…といつまでも気になります。
 
~  ~  ~
こんな風に、強く感じすぎるところがあり、
「ほかの人はなぜ平気なんだろう?」と不思議だったり、
「瀬戸川礼子さんを生きるのは大変だな」とか(笑)
思うことがあったのですが、
 
エンパスを軸に考えると、
「ああ、だからそうだったのね」と受け止められる。
これを知れたのは私にとってよいことでした。
 
何十年も生きてきて、
自分の手綱の握り方は研究開発してきたから、
よほど親しい人以外は、私はエンパスに見えないと思います。
 
実際、
人見知らないですし、
気が進まないことには「ノー」と言えますし、
大勢の人がいる場所も平気です。
 
なので、生活に支障をきたすようなことはないですし、
だから言えるのかもしれませんが、
共感能力が高すぎることは、気に入ってます💗
 
もし、同じエンパスの人がいらっしゃったら、
それも自分だから丸ごと愛していきませんかと
心でハグしたいと思います。
 
あと、エンパスだとわかったからと言って、
エンパスを何かの言い訳にしないように
気を付けていきたいとも思います。
よって今後、あまりこれを公言することも
ないと思います。
 
何十年生きていても、知らない自分がいて、
そういう探求って楽しいものですね!
動画はこちら。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

紅葉の京都をサイクリング観光! 2022年11月


こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 

先週は5日間の京都出張でした。
素敵な出会いがたくさんあって、
それは追々ご紹介したいのですが、
なか日の11月10日(木)はレンタサイクルで観光へ。
10:00~18:00まで、
下鴨神社~上賀茂神社~永観堂を巡りました。

これが我ながら素ん晴らしいコース設定だったので、
美しい京の風景をおすそわけしつつ
私の一日サイクリング観光をご紹介します!
~  ~  ~
10時前。
あらかじめ予約していた電動レンタル自転車
宿泊先に到着しました。
・一日レンタル 2200円
・自転車のお届け&引き取りサービス 1000円
※このサービス めちゃめちゃおすすめです。

鴨川沿いを走って「下鴨神社」を目指します。爽快!最高!
京都には何度も来ていますが、
今回、鴨川沿いをず~っと走って、
いかに地域に根付いた憩いの場かを初めて感じました。
多様な人が、歩く、走る、寝る、読書、
トランペット、フルート、ほかいろいろな楽器、
ヨガ、瞑想、体操、ノマド、お喋り、
あるいは、たそがれたりしています。
それぞれの過ごし方が尊重されていて、
こういうコミュニティの在り方って
最高だなあと思うのでした。

読書、寝る、川を眺める。それぞれの過ごし方。

京都はかなりお客さんが戻っている様子でしたが、
11月半ばの平日は、
週末に比べると観光客は少なめ。

週末の大混雑するエリアに行くと、
自転車でも身動きが取れなくなることがあるそうですが、
この日は全く問題ありませんでした。

空は青く高く、
暑くも寒くもなく、
紅葉は美しい。
パーフェクトな日和でした。

中京区の壬生森町から出発し、
鴨川を走っては写真を撮り、景色を眺め、
ゆっくり愛しむように走ったので、
「糺の森」に着いたのは1時間後の11時。

最初に到着したのは、前から行きたかった「糺の森」(ただすのもり)

入ってすぐのところに「河合神社」があり、
そこで美人水いただきました。

 

糺の森(ただすのもり)の中に下鴨神社があります。
 

「森」というよりは、
木に囲まれた参道という感じでしたが、
参道の脇には緑いっぱいの場所もありました。

糺の森の脇道に入ると小川が流れていました。
しばらくここに座って鳥の声に耳を澄ませ、
落ちゆく葉を見送りました。

下鴨神社

15分間、これを撮ってくれそうな人を待ち続けて、このとおり(笑)
撮ってくれた女性に、一応「代わりますか?」と聞いたら
「いえいえ、私は結構です」と(笑)。

空に届く階段のような、下鴨神社のイチョウ

私が好きな観光スタイルは、

気に入った一つの場所を、五感でゆっくり味わうこと。

有名観光地をいくつ回ったかは興味がわきません。

下鴨神社では2時間たっぷり「場」を楽しみました。

 ~  ~  ~
こちらは、下鴨神社から4キロ先にある上賀茂神社です。
鴨川沿いにサイクリングして13:30ごろ到着。

上賀茂(かみがも)神社
15年前にも特別参拝させていただいたのを思い出しました。

盛り塩の元祖?のようです
特別参拝をさせていただいて、
滞在は 1時間半くらいでした。
~   ~   ~
日サイクリング観光の最後は、
再び鴨川沿いをるんるん走り、
途中、川を眺めたりしつつ、
 
すてきな「哲学の道」を走ってーー
(自転車は写真の歩道ではなく、右横の道路を走ります)

 
この道の先にある「永観堂」に 15:40 到着しました。
まだ夕日が残る時刻に間に合いました。

永観堂に来ていたフランス語のご家族。後ろ姿に胸きゅん。
この3人にスマホ画面を見せたら、キュート!OK!と喜んでくれました ^^

こういう場にはお着物が似合いますね

この景色。ため息の出る美しさを目に焼き付けました。

おうすをいただきました。写真の前に半分飲んでしまった。
お店の方に聞いたところ、あと1週間でさらに紅葉が進むそうです。
これ以上、艶やかになるなんて、どうなっちゃうんでしょう!
もうちょっと長くいたかったけれど、
日没16:50がそろそろ近づいてきました。
1時間ちょっとの滞在でした。
~   ~   ~
中京区の壬生森町まで帰る途中、
大きなアーケード「寺町」がありまして、
自転車から降りて押しながら歩いていたら……、
Top to Topという靴屋さんで発見!

藍染とデザインにひとめぼれして買いました💗
広島・備後の「SPINGLE MOVE」というブランド。Made in Japan.うれしすぎる。
~  ~  ~
18:01  町家をリノベーションした一棟貸しの宿
「千鶴庵」に戻ってきました。
こういう宿が、街の中にたくさん出来ています。
住民との確執といったデメリットもあれば、
町の景観を残せるなどのメリットもある。
光と影を両方感じ、いろいろ思うところがありました。
 

出発前に撮った一枚です。
京都はコンパクトな街ということもあり、
電動自転車の観光は、
利便性も楽しさも両方とも満たせました。
また自転車で巡りたいなあ!
 
旅人で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
 

 

 『女将さんのこころ その三』
京都の旅館の女将さんもご紹介しています。
全国の女将さんの人生哲学を1冊につき55人ずつ紹介。 
おかみ3巻の表紙-文字大.jpg

部分受容 ~ボロは捨ててもダイヤは捨てるな~

こんにちは。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の
瀬戸川礼子です。

YouTube.png

105回目のテーマはこちら。

「部分受容 
 ~ボロにくるまれたダイヤを捨てる人はいない~」

www.youtube.com

 

何か気に入らない要素があって

すべては受け入れられなくても、

部分なら活用できる。

 

ボロ布にくるまれているからといって、

中あるダイヤを捨てる人はいないように、

「部分だけを受容する」ことによって

自分を磨いていけると思うのです。

 

それに自分だって、

みんなから部分受容してもらっているんです。

 

というか、全部受容し合うことって、

ほとんどないのかもしれません。

 

私たちは、部分のそのまた部分を受容し合って

うまくやっているのかもです。

 

ならばなおさら、せめて部分受容をして

心の世界を狭めずにいたいものです。

 

ああ、20代のころから、

この考えを持っていたかったわ(笑)。

 

よろしければご覧ください。こちら。

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

2022年12月15日リニューアルオープンの雲仙宮崎旅館を見学!

 

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

雲仙宮崎旅館・大女将の宮崎美雅子さんに会いに
伺ったブログをさきほどアップしました。こちら。

その際、リニューアルオープン間近の
雲仙宮崎旅館さんを美雅子さんと一緒に
見学させてもらいました。

 

右は美雅子さんと私、
左は息子で社長の高一さんと、妻で女将の千鶴子さんです。
再会もうれしい😊

 

雲仙随一の見事な景色を堪能できる、
素敵な旅館が生まれています。
http://www.miyazaki-ryokan.co.jp/


ロビー。自動ドアが開くと、
美しい庭がぱ~っといっぱいに広がります。

 

昭和4年創業、93年の歴史の中で、
全館建て替えはこれで2回目。

 

建て替えプロジェクトが始まったのは5年前でした。
その後、ちょうどというか、奇しくもというか、

更地にして建て替える期間が、
ぴったりコロナ禍と重なったのです。

 

これほどの幸運があるでしょうか。

でも、幸運を喜ぶというよりも、
ご先祖さまへの感謝と、
ますます謙虚さを忘れないようにしなければ、
と語る美雅子さんなのでした。

 

エントランス。裏側に山と庭が広がります。

 

ご長男で社長の宮崎高一さんは、
自館のことだけではなく、
雲仙の、長崎の、九州の発展も
考えて来られたと思います。

家具、食材、デザインに
ローカルファーストが貫かれています。

 

1Fの食事処です。部屋食は基本的にないようですが、
個室があります。

 

4Fの特別室です

 

上の特別室には、源泉かけ流しの温泉がついています♨

 

4F専用のラウンジです。テーブルの中央からは本物の火が出て
焚火の感覚が味わえるそうです。いいな~。

 

 

大浴場と窓の向こうは露天風呂です。男女入れ代わります。

 

サウナも男女それぞれあります

 

家族風呂は3つ

 

1Fのくつろぎスペースのガラス戸と看板は、
前の雲仙宮崎旅館のロビーにあったもの。
ここに前の名残があります。

 

 

驚いたのは、リニューアルオープンの5年前に、
妻で女将の千鶴子さんと、
信頼おける建築士さんら6人で
建て替えプロジェクトチームを結成して以降、
なんと毎月 欠かさず合宿を重ねたという話です。

いったい何十回、話し合いをしてきたのでしょう。

 

建築士さんとの出会いもユニークです。
高一さんは自ら建築の本を求めて歩かれました。
そして、ふと手にした300円の中古本の中に、
「これだ!」と思うデザインを見つけたというのです。

建築士さんは人間的にも素晴らしい方で
意気投合されたようです。

 

ドアノブの突起が景観を邪魔しないよう、

引き戸を主にするなど、

そこまで考えるのかと驚くような工夫が

館内の髄所にあるそうです。

 

3Fの客室。眺望を邪魔しないように、長いテーブルが
客室と一体化しています。

 

客室ベランダからの眺め

 

こちらもベランダにて。春はつつじがきれいです。
後ろの白い部分は、雲仙宮崎旅館の源泉の湯気です。

 

お散歩が楽しい、雲仙地獄(左側から入る)のすぐ近くで、
雲仙宮崎旅館のお庭からも、雲仙地獄めぐりができます。

 

徹底的に思いが表現された館内は、

すっきりとセンスよく、

遊び心も感じられる空間でした。

 

井川さんがご案内くださいました。
ありがとうございます。

 

次は宿泊客として参ります!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

 

大女将の宮崎美雅子さんもご紹介している
女将さんのこころ』(赤い表紙)
おかみ3巻の表紙-文字大.jpg

雲仙宮崎旅館の宮崎美雅子さんに会いに 2022

こんにちは。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

週末は長崎・雲仙へ!思い出の秋となりました。

目的は「雲仙宮崎旅館」の
大女将・宮崎美雅子さんに会うことです。

 
25年以上前に初めて取材でお会いして以来、
幾度となく訪ねてきました。
 
本の中でも紹介させていただいています。
女将さんのこころ』(赤い表紙)
1冊につき旅館の女将さん55人の思いをご紹介した本
おかみ3巻の表紙-文字大.jpg
 
美雅子さんは「清く正しく美しく」そのものの方で、
かつ楽しくて話が尽きないのです。
 
今回はありがたいことに
美雅子さんのご自宅に泊めていただきました。
 
お部屋から美しい紅葉が望めました
 
なぜ、旅館に泊まらずご自宅かというと、
雲仙宮崎旅館さんは約2年前に
一度更地にして旅館を建て替えられ、
もうすぐ、2022年12月15日に
グランドオープンされるからです。
 
見学させていただいたので、
次の投稿でご紹介します!
 
そのようなわけで、
美雅子さんのお家で美味しい手料理を
夜、朝、昼とご馳走になりつつ、
いっぱいお話しする願いが叶いました。
私、相当な幸せ者だと自覚しています。
 
「目に見えるものよりも、
 見えないもののほうが力があるの」
「失敗の痛い傷口から、
 至らない自分への教えが染み込んでくる」
「働く人がいてくれてこそやっていけます。
 ここで働く人が幸せでなければ、
 旅館の存在価値はないのです」
 
ほかたくさん聞いて話して笑って泣いて、
あっという間に
さようならの時間となってしまいました。
 
名残惜しかった…。
素晴らしい時間をありがとうございます。
 
長崎空港に向かう帰途。ハッとする空が見送ってくれました。

 
私は、仕事で数え切れない方々にお会いしてきました。
これからもそうだと思います。
その時々のご縁がありがたいし、
 
美雅子さんのように
年代も仕事も住む場所も超えて
何年も続くご縁は、
なおありがたい宝物です。
 
私にとって人生のご褒美は、
裸の心でいられる人と出会い、
魂の輝きを感じられること✨
 
それ以上に最高のものは、きっとないのです。
 
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
 

人に敬意を払うことが、人の改善をいざなう

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 

今日のテーマはこちら。

人に敬意を払うことが、相手の主体性を高める

 

 

先日、ビジネススクール時代の同窓会がありました。
あっという間に15年も経っていてびっくりでした。


正式名称は法政大学専門職大学院です。
社会人のための学校なので年齢はばらばら。

当時、最年長の確か65歳だった Kさんは
80代になられていました。

 

今日のタイトルは、
このKさんの言葉が元になっています。

Kさんは自動車関連の元大手企業の経営者。
引退後はゴルフ三昧の日々を送りますが、
だんだん張り合いがなくなっていったと言います。

誰の役にも立っていない生活はつまらない、と。


そこで、65歳で大学院に入学。
経営学修士号(MBA)と、
国家資格である中小企業診断士を
同時に取得するコースに入られました。

 

Kさんは、親子あるいは孫ほど年の違う
私たち同級生に対して、
まったく偉ぶるところがありませんし、

謙虚で、これまでの実績をひけらかしません。
みんなKさんには一目置いていました。


~  ~  ~

 

15年ぶりの再会でしたが、
最も年を取っていないのがKさんでした。
本当に、時間が止まっているみたいです。

 

で、前置きが長くなりましたが、

そのKさんと一緒にたまにコンサルをしている

同じ中小企業診断士のクラスメイトが言いました。

「Kさんは、相手がどんな経営をしていても

 決してそれをとがめないんですよ」と。

 

これは大事な話だと思い、

例えばどういうことですか?と聞くと、

Kさんは言いました。

「私が一番大切にしているのは、

 人に敬意を払うことです。

 人は誰だってけなされるのは嫌なんです。

 助言を頼む側であっても、

 本当は注意されたくないんですよ。

 だから、いい面をしっかり褒めてから、

 『欲を言えば~~』と言う形で

 アドバイスするようにしています」と。

 

これすっごく貴重な話だと思います。

Kさんは元大手企業の社長だし、診断士だし、

実績と知識は申し分ありません。

でも、それ以上に人間性がすばらしい。

 

人の感情をちゃんと想像して、

注意するよりも敬意を払うことのほうが大事

と理解したうえで、コンサルしている。

そのほうが、いい結果になるのです。

 

正論をぶつけるよりも、

相手に敬意を払うことのほうが、

その相手の主体的な改善へといざなう。

 

「敬意の存在」は、

助言の原点であり、

日常的な人とのやりとりの原点でもあります。

 

わかっていても、ふと忘れてしまうことも…。

大切にしていこう。

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

『いい会社のよきリーダーが大切にしている7つのこと』
「いい会社」のよきリーダーが大切にしている7つのこと - 瀬戸川 礼子

2022年11月のおついたち ~やろうと思わなければ~

おはようございます。
2022年11月のおついたちです。

今月の言葉は、


「やろうと思わなければ
 横に寝た箸を 
 竪(たて)にすることもできん」
         (夏目漱石)

 

漱石が、職業作家として

初めて書いた作品『虞美人草』(ぐびじんそう)

の登場人物に語らせた言葉です。

 

自分を奮い立たせる、

はっぱをかける言葉だったのでは?

とも言われています。

 


脳科学的に言っても

「やる気スイッチ」は

行動してからONになるそうなので、

やる気があろうとなかろうと、

先に行動あるのみ、みたいですね

 

今年もあと2か月。

やろうと思ったらとりあえずやってみようと思います。

今月もすべての人にとって

よい月でありますように.。*☆+.*.。☆゚

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

小平奈緒さんの引退会見に学ぶ「目的と目標のちがい」

 

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 

今日のテーマはこちら。

小平奈緒さんの引退会見に学ぶ

「目的と目標のちがい」

 

スピードスケート選手・小平奈緒さんの引退会見、

素晴らしかったですね!

今日はここから学ばせていただきます。

 

写真はNHKニュースより

 

 

目的と目標は似ているけれど、まったく違います。

この違いを理解することは、

幸せに働き生きる土台なので、

これまでに本やYouTubeでたびたび発信してきました。

 

~  ~  ~

 

そんな中、先週、2022.10.27に行なわれた、

スピードスケート選手・小平奈緒さんの引退会見は

お人柄も相まって、芯のあるお話だった上に、

目的と目標のちがい」も語られ、

感銘を受けました。

 

 

小平選手は、記者会見で次のように言われました。

 

「目標に順位や記録はあったと思うんですけど、

それは手段にすぎなくて、

目的には必ず、唯一無二の自己表現

っていうのがあったと感じています」

 

目的と目標の違いを明白にされていますね。

小平さんは何のためにやっていたのかというと、

目的は「唯一無二の自己表現」であると。

 

そして、目標には順位や記録があり、

それは目的を叶えるための手段であると。

いや、もう、ほんと。おっしゃるとおり。

目標は目的を叶えるための手段であり、

通過点であり、途中のめじるしなのです。

 

~  ~  ~

 

多くの人は、目的も目標も同じ意味で使います。

いまよりも先、いまよりも上を目指す言葉として。

 

でも、違います。

目的と目標はまったく違う概念です。

 

私が本やYouTubeで私が違いを解説する場合、
この登山の図をよく使います。

 


目的(質的なもの)

……目指す的・ゴール・方向性・あるべき姿

 

目標(量的なもの)

……途中のめじるし・手段・通過点 です。

 

会社の場合だったら、

目標には「売上目標」「利益目標」などの数字が主に入ります。

 

数字は目標レベルの話ですから、最終ゴールではありません。

つまり、会社は儲けるために存在するのではなく、

「何のために」儲けるのかが、目的になるのです。

 

人間の場合だったら、例えば、

幸せな人生を生きることが目的(ゴール)で、

就職や結婚などを目標(手段・通過点)に

挙げる人が多いでしょう。

 

いい会社に入ることや、結婚がゴールという

考えは大きな勘違いです。

 

~  ~  ~

 

では、もう一度、
小平選手の言葉を振り返ってみます。

 

「目標に順位や記録はあったと思うんですけど、

 それは手段にすぎなくて、

 目的には必ず、唯一無二の自己表現

 っていうのがあったと感じています」

 

何のために1位になるのか、

何のために記録を出すのかの答えが、

目的「唯一無二の自己表現をするため」

になるのです。

 

素晴らしい…。

 

 

小平さんはこの言葉の後、

 

「(目的は)人と比べようがないもので、

自分の生きる軸としてどっしりあるもの。

揺るがないものとしてある」と言われました。

 

これもまさにそうで、

目標は人と比べられるものですが、

目的は人との比較はできないし、

その必要もありません。

 

さらに小平さんは

「(目指していた唯一無二の)表現は、

 スピードスケートを通して

 まっとうできたのではないかと思います」

 と、言われました。

 

世界記録を出し、

オリンピックゴールドメダリストになり、

数多の大会で存在感を出してきたのですから

目標を次々と達成したのは言うまでもなく、

それらを手段として、

最終ゴールである目的「唯一無二の表現」

を叶えられたのですね。

 

 ~  ~  ~

 

小平さんは「ただ」 と、会見で言葉をつながれました。

 

「ただ、(自分は)スピードスケートしか知らない」と。

 

「自分の学びの文脈の中でしか

 学びは生まれてこない」と言われるため、

 

「いろいろな人とのかかわりの中で

新しい生き方をしていけたらと思います」

と、付け加えられていました。

 

一つの素晴らしい目的を叶えたことにおごらず、

次の新しい生き方をまた一から始める

謙虚な思いが伝わってきました。

 

 

小平さんが目的にすえた「唯一無二の表現」。

これはご本人のみ知る部分もあるかと思いますが、


この記者会見でもおっしゃっていた、

「数字や順位で人の価値を決めつけない」

という人間性の深さ・豊かさもまた、

大きな要素を占めるように私には感じられました。

 

そしてまた、「私がスケートで磨いてきた人間性は

一緒に競い合う仲間をリスペクトすること」

この言葉もまた、自己表現の最たるものかと感じます。

素晴らしい人間性。

 

~  ~  ~

 

私はスポーツ観戦はほとんどしないんですが、

スポーツをする人の「選手よりも人としての生き方」

に惹かれることはあって、小平奈緒選手はそのお一人です。

 

また、ボクシングの村田諒太選手の心情を追った

ドキュメントでも感じましたが、

一流の選手は、みな哲学者のようです。

 

優勝する、記録を出すという目標以上に、

「何のために」という目的(最終ゴール)をとらえ、

ひたすらそれを考えるからではないかと思います。

 

~  ~  ~

小平奈緒選手の引退会見

 

 

目的と目標まぜるな危険の動画①②

www.youtube.com

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経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

 

目的のために捨て身になれるか? 旅館 竹葉の女将・小幡美香さん

こんにちは。
講師で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

山梨県立大学を中心に、
学生と社会人が共に学ぶ講座「PENTAS YAMANASHI」。

今日は、私が担当する「観光実践マネジメント講座」の2回目。
実践者として島根県さぎの湯温泉「竹葉」の
女将・小幡美香さんにゲスト登壇いただきました。 
 
2018年に取材で伺って以来のご縁です。
 

 
美香さんは、地元・安来市の伝統芸能を踊る
「どじょうすくい女将」としても知られる方です。
 
習い始めて約15年が経った今、
ご夫婦で師範になられていますが、
当初はみなに引き止められました。
 

 
どじょうすくいは男踊り。
豆絞りの手ぬぐいをかぶり、
鼻に銭を当て、
腰をくねくね、コミカルに踊ります。
 
これを踊る女性はほとんどおらず、
品を落とす、色物に見られるなど、心配されました。
 
 
美香さん自身も
自分のイメージが変わっていくのではないか、
子どもや社員が嫌な思いをするのではないか、
旅館のイメージが悪くなったら……と気をもみ、
たいへんな勇気が要ったそうです。
(そりゃそうだと思います)
 
 
でも、美香さんがすごいのは、
怖さや恥ずかしさよりも、
女将がどじょうすくいを踊るという珍しさを活かし、
地元の活性化に役立ちたい、
宿を盛り立てたい、
お客さまに喜んでもらいたい、
伝統を伝統として残したい。
そうした目的のほうを優先させたことです。
 
 
目的のために、
勇気を持って、
どじょうすくい女将になる道を選んだ。
 
捨て身。
 
 
なかなかできないことだと思います。
ほんとかっこいい美香さんです。
 
 
美香さんのそうした「思い」は、
2003年から書き連ねてきたブログを通じて広まり、
批判どころか多くの共感が集まっていきました。
 
 
こんなCMにも出られたんですよ!

 
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PENTAS「観光実践マネジメント講座」の
キーワードの一つは高付加価値です。
今日のゲスト講座ではほかにも、
さまざまな高付加価値の考えと実践を
リアルにうかがえて、大変実りのある90分でした。
 
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竹葉」の女将・小幡美香さんのご実家は、
千疋屋でも販売されるほど高付加価値の
「干し柿」や「柿酢」を作られていて、
竹葉でも通販しています。
 
そして、今日10月26日は、
なんと「柿の日」だそうです。
 
柿はビタミンCが豊富。1日に必要な100mgが
柿ひとつで取れてしまいます!

 

そしてこれもまた初めて知ったんですが、
柿は国を代表する果物「国果」だそうです。
 
美香先生、特別な日のゲスト登壇、
ありがとうございます!
 
講師で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
 
 
小幡美香さんも登場されている
1冊につき旅館の女将さん55人の思いをご紹介した本
女将さんのこころ 3』(紫の表紙)