こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
今日のテーマはこちら。
人に敬意を払うことが、相手の主体性を高める
先日、ビジネススクール時代の同窓会がありました。
あっという間に15年も経っていてびっくりでした。
正式名称は法政大学専門職大学院です。
社会人のための学校なので年齢はばらばら。
当時、最年長の確か65歳だった Kさんは
80代になられていました。
今日のタイトルは、
このKさんの言葉が元になっています。
Kさんは自動車関連の元大手企業の経営者。
引退後はゴルフ三昧の日々を送りますが、
だんだん張り合いがなくなっていったと言います。
誰の役にも立っていない生活はつまらない、と。
そこで、65歳で大学院に入学。
経営学修士号(MBA)と、
国家資格である中小企業診断士を
同時に取得するコースに入られました。
Kさんは、親子あるいは孫ほど年の違う
私たち同級生に対して、
まったく偉ぶるところがありませんし、
謙虚で、これまでの実績をひけらかしません。
みんなKさんには一目置いていました。
~ ~ ~
15年ぶりの再会でしたが、
最も年を取っていないのがKさんでした。
本当に、時間が止まっているみたいです。
で、前置きが長くなりましたが、
そのKさんと一緒にたまにコンサルをしている
同じ中小企業診断士のクラスメイトが言いました。
「Kさんは、相手がどんな経営をしていても
決してそれをとがめないんですよ」と。
これは大事な話だと思い、
例えばどういうことですか?と聞くと、
Kさんは言いました。
「私が一番大切にしているのは、
人に敬意を払うことです。
人は誰だってけなされるのは嫌なんです。
助言を頼む側であっても、
本当は注意されたくないんですよ。
だから、いい面をしっかり褒めてから、
『欲を言えば~~』と言う形で
アドバイスするようにしています」と。
これすっごく貴重な話だと思います。
Kさんは元大手企業の社長だし、診断士だし、
実績と知識は申し分ありません。
でも、それ以上に人間性がすばらしい。
人の感情をちゃんと想像して、
注意するよりも敬意を払うことのほうが大事
と理解したうえで、コンサルしている。
そのほうが、いい結果になるのです。
正論をぶつけるよりも、
相手に敬意を払うことのほうが、
その相手の主体的な改善へといざなう。
「敬意の存在」は、
助言の原点であり、
日常的な人とのやりとりの原点でもあります。
わかっていても、ふと忘れてしまうことも…。
大切にしていこう。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。