きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

スギ薬局の創業者夫妻のワクチン接種について、秘書が優先予約を依頼した件。

 

今日のテーマは、
スギ薬局の創業者夫妻のワクチン接種について、
秘書が優先予約を市に依頼した件
です。

私は同社を取材したことがないので
お会いしたこともないのですが、
このニュースを耳にして、
「秘書に指示したとは思えないな」
と考えました。
なんといっても「薬局」の創業者ですし、
「自分さえよければ」の考えでは、
さすがにここまで大きく(1000店舗)
できなかったと思うのです。
それでも付いて行くなんて人は少ないでしょうから。


東京新聞のネット記事より こちら
スギ.png

午後になってHPをみたら、
早速、弁明が載っていました。

この弁明を見る限りでは、
がんを患った相談役(創業者の妻)の身体を
おもんぱかるあまり、
秘書が自分の意思で動いたようです。
また、創業者はアナフィラキシーショック
を経験しているため
そもそもワクチン接種を望んでいないと。

私はこれについて責める気にはなりません。

市にも問題があるけれど、
私が最も気になるのは行政ではなく、
次のことです。

もしも、本当に、
秘書の「優しさ」で動いた結果だとしたら、
この秘書はどれほど身の置き所のない日々を
過ごすだろう、と。

秘書は相談役を尊敬していた、
と仮定すると、
大切な人の身体を気遣うあまり、
世間の目、公平な目を持てなくなってしまった。
そのために、
大切な人と、大切な人が人生をかけて育ててきた会社、
その両方の社会的な信用に傷をつけてしまった。
その後悔は察するに余りあります。

また、相談役や創業者はどんな思いで
いるだろうということです。
 
夫妻は、秘書に何て声をかけるんだろう。
会社はこの秘書を処分するのだろうか。
その前に、秘書は辞表を出すんじゃないだろうか。
会社は受け取るのだろうか。
たとえ、理念の共有に力を注ぎ、
教育をしていたとしても、
こうしたケースは起こる可能性があり、
失敗に対する会社の判断が、
会社自身の未来の性格にも
影響を及ぼしていくはずです。
こういう点が気になります。

~  ~  ~

HPの代表(創業者)あいさつにこうあります。
お客様の満足度を第一に考え、
社員の幸福や仕事に対する
モチベーションを大切にするという、
「創業の理念がぶれない経営」
を続けてまいります

秘書にはモチベーションがあったと思う。
今回の内容は間違っていたけれど…。

~  ~  ~

真相は分からないから推察だけれど、
もし純粋に優しさでやってしまったことなら、
本人は相当、失望しているでしょう。
これ以上、周りが痛めつけなくていい。

「人を思う優しさ」とはーー。
考えさせられるニュースです。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の
瀬戸川礼子でした。

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