きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「自由学園 明日館」で女学生に想いを馳せる

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

今日は「自由学園 明日館」をご紹介します。
池袋にある重要文化財です。


103年前の1921(大正12)年、女学校として誕生しました。美しい。


自由学園 明日館は、
日本初の女性ジャーナリスト 羽仁もと子と、
夫で同じ職業の吉一夫妻が創立しました。
私も経営ジャーナリストをしているので
もと子さんは大先輩ということになります。

お二人は新聞記者同士で恋愛結婚。
大正時代ですから、女性が職業を持つことも
しかもジャーナリストであることも、
恋愛結婚ということも、全て珍しいことでした。
素敵だな~と思います。

 

 

開校10周年の際、聖書の話をモチーフに、
先生と生徒が描いた絵です。戦時中は塗りつぶされていました。

 

この素敵な学校を舞台に、
まだまだ学びの機会を得られなかった当時の女学生は
どんな気持ちで、
どんなことを学び、
それはどんなことを彼女たちの人生にもたらしたんだろうかーー。

100年前の世間がそれを許さなくても、
自身の誇りある幸せにつながっていたらいいな。
そんなことを思います。

 

 

建設好きの方は、ここまでの写真でピンと来たでしょう。
設計は、あのフランク・ロイド・ライト。
弟子の遠藤 新も、設計士として名を連ねます。

ライトは連名を好まなかったそうですが、
遠藤 新は、弟子は弟子でも愛弟子で、
本に「my son」(私の息子)と遺したほどでした。
よって、連名を拒まなかったどころか、
講堂やほかの部分は遠藤新に任せて帰国したそうです。

小さな階段がいくつもあり「この先はどうなっているんだろう?」と
わくわくした気持ちにさせてくれます。
石は大谷石。天井のライトも、ライトの設計です。

 

食堂です。せっかく来たので喫茶付き見学にしました。

かつての教室をセミナーなどに貸し出ししています。
こういう教室で私もセミナーをしたいなあ。

 


どこもかしこも洗練されたデザインで絵になります。


この建物はクリーム色、こげ茶色、緑色の3色で成り立っています。
自然に溶け込む色合いです。

 

こちらは講堂。2階から見下ろした一枚。
羽仁夫妻はクリスチャンで、講堂は教会のようです。


1階の舞台から2階を撮る。

 

フランク・ロイド・ライトは、当時からすでに巨匠でした。
日本では、帝国ホテルの旧館の設計で知られています。
(工期と工費がかかりすぎて途中で首になっちゃったそうですが)

そんな巨匠が、なぜ自由学園の設計をしてくれることになったのか?
夜間見学会の説明によると、羽仁夫妻とライト愛弟子の遠藤新は共に
クリスチャンで、礼拝で顔なじみだったそうなのです。

そこで引き合わせてもらうことができ、
さらにライトの叔母さんはホームスクールを運営していたそうで、
「自由」を掲げた教育方針に共感してくれたから、だそうです。

純粋な思いって運を引き付けるんだなあ、と感じ入ります。

 

 

時は流れて1960年代、この建物は朽ちようとしていました。
自由学園は生徒が増えすぎて、ここには入りきれなくなり
創業わずが13年でひばりが丘に移転(1925年)。
使われなくなって久しかったのです。

土地ごと売って学園の事業資金にするか、
建物を保存するか、何年も決着がつかずにいました。

それが、1997年に重要文化財となり、保存工事がスタート。
2017年に完了し、見学できるようになりました。

「壊しちゃだめ!」と声をあげたOGや各国の建築家の方々のお陰です✨

 

重要文化財は、状態を保つために出来るだけ人間を
入れずにおこうと考えられがちですが、
自由学園 明日館は、使いながら保存していく「動態保存」という方法
を選んだため毎日オープンしています(月曜休み)。

私が行った夜間見学日は、毎月第3金曜日です🌙

 

講演や研修講師もしている立場として
教育の大切さは常に実感しているところです。
建物の素晴らしさと、教育に対する情熱を同時に感じる
いい夜を過ごしました。

 

建物も結構好き。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
YouTubeやっています。

【幸せに働き生きるヒント】

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