未来工業①　新社長の山田雅裕さんインタビュー

2013年8月
こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

今週、未来工業（岐阜）の取材に行ってきました。
http://www.mirai.co.jp/
この６月に新社長に就任された山田雅裕さんと。
フレンドリーな方で有意義なお話をたくさんいただきました。

スイッチボックスで８０％のシェアを誇る未来工業の工場。
「常に考える」が同社のモットー。

山田雅裕社長のインタビューは想像を超えた楽しさでした。
創業者で相談役の山田昭男さんの息子さんです。

父の昭男さんの血を継いで、雅裕さんも演劇が大好き。
学生時代は舞台にも立たれていたそうですから、表現が豊かです。

雅裕さんは、学校を出るとそのまま未来工業に入社されました。
他社に行かなかったのは「請われたから」。

そしてーー、
「自分の父が何より大切にしていた会社を見てみたかったから」。

未来工業の年間休日が140日あるのはもはや有名な話ですが、
社員を休ませて、父の昭男さんはものすごく働いていたそうです。
親子4人で初めて外食をしたのは、雅裕さんが27歳のときでした。

昭男相談役は、著書でも講演でも、
ご自分のそういう努力はほとんど語られないけれど、
だれよりも会社を愛し、だれよりも働いていたんだなあと…、
これには胸を打たれました。

雅裕社長は、未来工業で営業など数種の仕事を経験した後、
経営不振の子会社（経営難で頼まれて買収）を
立ち直らせた手腕の持ち主。
「自分の力ではなく、前の社長や社員や取引先のお陰です」と。

今回、社長として未来工業に戻り、
「100年、200年続く会社」にすることを目指されています。

ところで未来工業は、
年間の公休140日のほかにも、
1日7時間15分しか働かず残業なし。

にもかかわらず創業48年間黒字、利益率15％など、
他社を大きく引き離す優良企業として知られますが、
雅裕社長の話では「いまは残業しています」と。

現在、太陽光ソーラーの取り付けが
全国的・爆発的に増加しています。
未来工業の部品も使われるため、
もう大変な忙しさなのです。

休んでいる場合じゃないというのが実情だそうで、
「残業がない」と書かれると現況とは違ってしまうから、
新聞記者にも「残業していると書いてください」
と言ったそうです。正直ですね。

まだまだ国内は不況の中、
なんとも景気の良い話ですが、
社員を大切にする同社は、負担を軽減するために、
どのように生産性・効率性を高めていくかが
目下の課題とのことです。

そして、雅裕社長は今日の取材を持って、
今後1年間は社長インタビューを受けないと決めているそうです。
本業に徹するためです。

私はラッキーでした！
ありがとうございます。

未来工業の話、次に続きます。
「常に考える」の事例紹介！ →　https://reikosetogawa.seesaa.net/article/201308article_3.html