こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
未来工業の新社長・山田雅裕社長インタビューの続きです。
1回目はこちら https://reikosetogawa.seesaa.net/article/201308article_2.html
2013年8月、電気設備資材などを製造する未来工業の
山田雅裕社長のインタビューにうかがいました。
未来工業HP→ http://www.mirai.co.jp/index.html
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工場見学へ。
「常に考える」が未来工業のモットーであり、
社是ともいえます。
工場にも、社内のオフィス、階段、トイレにも、
至るところに掲げられているのは、「常に考える」
未来工業の本社&大垣工場
同社は電気設備資材、給排水設備、ガス設備資材の
製造販売を行なう会社です。
製品数は実に1万種類!
大規模メーカーならともかく、
社員800人の会社で1万種類ですよ。
類を見ない多さです。
中にはほとんど売れない赤字製品もありますが、
買いたい顧客にとっては助かりますよね。
ここに商機があります。
「あってよかった」と喜んでくれて、
ついでに売れ筋も買ってくれるのです。
1万種類のうち、
断トツの売れ筋製品が「スライドボックス」です。
電気をぱちぱち、点けたり消したりするスイッチは
家にもビルにも、どこでもありますよね?
その壁の真裏につけて、
配線を行なうためのプラスチック器具です。
一般名称は「スイッチボックス」で、
未来工業の製品名は「スライドボックス」。
これ↓。総務の杉原さんが手を壁に見立て 「縦に付けます」と見せてくれました。
「スライドボックス」は、
なんと、全国で80%のシェアを誇ります。
ご自分の家やオフィスの壁の中に、付いている可能性大。
手のひらサイズの小さなプラスチック部品ですが、
デビューからずっと、50カ所も改善してきました。
2000年以降ももちろん、改善しています。
たとえば、銀色のアルミテープが途中から貼られました。
壁の中に取り付けて、壁で覆ってしまうと、
どこにスライドボックスをつけたのか分からなくなりますよね?
その問題を解決するために、アルミテープを貼り、
外から探知機を当てると
「ピーピー」と音が鳴るようにしたのです。
シェアが大きくなっても、もっと改良点はないか「常に考える」
この社風こそが未来工業の“無形資産”ではないでしょうか。
「常に考える社風づくり」に一役買ったのが、
「提案制度」です。
どんなことでも、採用されなくても、1回500円もらえます。
優れた提案はそれほど簡単には出ませんから、
ほとんどは採用されません。
それでも、提案者には1回500円が支払われます。
「常に考える」という習慣こそを評価しているからです。
それに、アイデアを出すときは「質より量」。これが鉄則です。
量がたくさん出るから、その中にいい提案が生まれるのです。
だから、一人一回500円は決して無駄ではありません。
社内で生まれたアイデアの一つ、
プラスドライバー、マイナスドライバー。
プラスは赤、マイナスは青に色分け。
頭には、それぞれ「+」と「-」を凹凸で入れました。
すると工事の人は、
いちいち腰につけた道具入れを見ないで、
手さぐりでドライバーを探し出せるんです。
これは便利だし、効率もいいし、
手探りでさっと出す姿がカッコいい!
職人さんも喜んで買ってくれるわけですね。
こうしたさまざまな工夫がそこかしこにありました。
貴重な学びをありがとうございます。
常に考える社風に触れて感心しきりの
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。