きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

若松英輔さんの講演「教皇フランシスコの残したもの」に行ってきました



今日12月17日は、
教皇フランシスコの83歳の誕生日だそうです。



 

先週末の12月14日、四谷の二コラ・バレで行われた

批評家・随筆家でクリスチャンでもある若松英輔さん

講演「教皇フランシスコの残したもの」に行ってきました。


私はクリスチャンではありませんが、

先日、来日された教皇の言動には胸打たれるものがあり、

詳しく話が聞きたいと思ったのです。

想像できないほどの教皇の深い想い、

それを伝える若松さんの命がふるえる様を見て、

思わず涙があふれました。


乾いている人に水を運ぶように、

今日はこのブログで

「水=言葉」を運びたいと思います。

下記は、講演で心に残った話の抜粋です。


☆今、私たちは暖かいところにいます。

しかし、この瞬間も外で夜を過ごす人たちがいます。

そのことを忘れていい人は一人もいません。


☆教皇は原稿を見ながら語りますが、

その理由はすべて公式に記録されるからです。

一方、教皇は頭で語っているのではありません。

頭で語っていない言葉を頭に入れようとしても入りません。

心で語っている言葉は、心で受け止めるものです。


☆私は皆さんにも言葉を運ぶ人になってほしい。

「何々すべきだ」という「べき論」ではなく、

「私たちはこのままでいいのだろうか」という

「問い」を運べる人になってほしい。


☆私(若松さん)は記者として、

教皇の訪問先を巡りましたが、

とても全部は回れませんでした。

教皇は労働基準法に反するほどの(笑)、

精力的な働きぶりだったのです。


☆長崎での教皇の祈る姿を見たでしょう?

あの「祈る姿」にこそ、

言葉の背景となる信念や生き方が現れていました。


☆その祈りとは、亡き者に誠実を尽くすことです。

教皇フランシスコは何をしに日本に来たのか。

歴史に光を当てに来たのです。

未来をより良くするならば、

「過去との関係を結び直すことが必要です」と。


☆ 経済的にではなく、

「誠実さによって知られる人になってください」

と、教皇は言われます。

自分がそうなるのも良いですが、

人知れず、僕のように講演もせず(笑)、本も出さず、

しかし誠実に生きている人を

発見できる人になりましょう。


☆ 教皇は「共通善」という言葉をよく使います。

これは、宗教や文化を問わず、

万人に対して良いことを指します。

例えば、気候変動を改善することは共通善ですし、

弱い人がこれ以上苦しまないことも共通善です。



ここから先は、教皇というよりも

若松さんの想いだと理解しました。


☆信じるものに対して慎重であれ。

(報道や噂を鵜呑みにせず)慎重であれば、

人を信用するとはどういうことかが同時にわかります。


☆「命=心」という世界観を取り戻さないといけません。

ペットボトルを使わないことも大事ですが、

それ以上に、私たちは、

経済の豊かさではない真の豊かさを考えるべきです。

大きな家を建てている人に尊敬の眼差しを向けるのではなく、

みなが目線を変える必要があります。

価値の有り様を変える必要があるのです。


☆命が苦しんでいる人を

見つけられる目を持ちましょう。

目から流れる涙ではなく、

命から流れる涙を見られる人に。


☆いじめはいけません。

その人が本当の自分になる力を奪うからです。

自尊心や向上心を傷つけることは、

その人が本来持つ力を奪うことになります。

つまり、いじめも命の問題なのです。

(※ ついでに書かせてもらうと、

ストーカーも本当にしてはいけないことです。

構造はいじめと同じです。

相手の嫌がる気持ちを全く考慮せず、

一方的に自分の気持ちで突っ走る。

非常に身勝手な迷惑行為です)。


☆組織のための組織と、

人のための組織と、どちらがよいでしょうか。

私は後者だと思います。

人がいれば、組織を作り直すことができるからです。


☆良いリーダーは、弱い人を一番大切にします。

☆孤独と孤立は違います。

「孤独」は、人生の宝石と言っていいほど

人にとって大切なものです。

大事な人に手紙を書くとか、

自分に向き合うなどは、孤独のときにやるものです。

しかし、「孤立」はいけません。孤立してしまうと、

孤独の時に行う力が持てなくなります。

孤立は、孤独を奪うのです。


☆日本のための国ではなく、

住んでいる人のための国です。

~  ~  ~  ~  ~

「教皇」とはラテン語で、

「橋をかける人」という意味だそうです。


私は橋をかけているだろうか?

それは共通善だろうか?

そんな問いを自分に投げかけ続けたいと思います。

瀬戸川礼子でした。

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