こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
【道頓堀ホテルの使命感経営】
ホワイト経営合宿@関西、3つ目の訪問先は、
第2回ホワイト企業大賞「国際架け橋賞」の
「道頓堀ホテル」でした。http://dotonbori-h.co.jp/
私は3度目の訪問。また新たな学びがありました。
かつては毎月のように人が辞めていき、価格競争に翻弄される。
そんな環境から抜け出して、
働きがいがあり、毎日ほぼ満室が続く
人気ホテルに変身を遂げた道頓堀ホテル。
◆安さが喜ばれる日本人ビジネス客から、
思い出づくりを喜んでくれるアジアの外国人観光客へ。
◆国内旅行会社との契約をすべて打ち切り、
アジアの現地旅行会社との直接やりとりへ。
◆宿泊料を値引く集客から、
サービスとおもてなしで付加価値を高めた適正価格での集客へ。
いざやろうとすると、どれも相当、勇気がいることですが、
道頓堀ホテルはやり遂げました。
橋本明元さんは約10年前、
「外国人観光客(とりわけアジア人客)に
徹底的におもてなししているビジネスホテルはない」と、
いわゆる “ブルーオーシャン” を見つけます。
でも、これは単に儲けるための思い付きではありませんでした。
人がどんどん辞めていくのは辛い、働きがいのある会社にしたい、
中国人の父と日本人の母を持ち、いじめられた経験のある自分
だからこそ、日本人と外国人の架け橋になれるのではという思い、
貧しい時代を生き抜いた祖父に対する感謝と誇り、
震災後に世界から賞賛された日本人の精神に胸が震えた思い、
日本での素晴らしい思い出づくりを担う使命感など、
強い思いを持って夢を形にしてこられたのです。
そのために、橋本さんは「社風づくり」に力を注ぎます。
どんなことだって、それを動かすのは一人一人の人間だからです。
毎月の勉強会とレポートの赤ペン先生(写真)、
おもてなしのためなら20万円を自由に使っていい権限委譲など、
一つ一つを「継続」していきました。
橋本さんが毎月行っている赤ペン先生。継続は力なり。
橋本さんとバックヤードに置かれている提案箱など。ちゃんと活用されています。
一昨年からは、社員およびパートの治療費を、
一つの病気につき50万円まで支給という
社員思いの制度も新設されました。
2016年11月22日、
道頓堀ホテルから徒歩10分の心斎橋に、
「The Bridge Hotel」(209室)が新規オープンします。 http://dotonbori-h.co.jp/bridge_hotel/
これに先立ち新入社員を募集したら300人もの応募が来たそうです。
新規採用されたフレッシュな方々と橋本さん
とにかく人が辞めてしまうホテルが、
やりがいのあるホテルへと変身を遂げ、
こんなに生き生きとした未来が描けているなんて、
なんだかじーんときました。
お兄さんで社長の橋本正権さんと、弟で専務の明元さん。
お二人が互いを尊重した経営をしているところも、
実は珍しいしことで、素晴らしいなと改めて心に残りました。
経営ジャーナリストでホワイト企業大賞委員の瀬戸川礼子でした。