2015年8月29~30日「ホワイト経営大賞」の
“ホワイト合宿” 4回目に参加しました。
今回の講師は経営学博士の小森谷 浩さん。
東洋思想を取り入れた組織開発がご専門です。
右から3人目が小森谷さん。 お坊さんに「何宗ですか?」と、お坊さんに間違えられたそうです(笑)。
「十牛図」を念頭に置きながら、「禅の智慧を生かし、
内省と対話を原動力に自己と組織の変容を相乗させる」がテーマでした。
十牛図 (クリックで拡大します)
十牛図は、悟りへのプロセスが描かれたもので、
禅の世界ではよく知られている図だそうです。
①牛を探そうと思い至り、②牛の足跡を見つけ、③ようや牛の姿を見て、
④捕まえ、⑤てなづけ、⑥ちょっといい気になって(牛の背で笛を吹く)、
⑦でも牛を忘れてしまって、⑧自分も牛も消え(無)、
⑨自然(あるがまま)であることの尊さに気づき、
⑩布袋様の姿になったけど、手には酒を持っている (悟ったから俗世間から離れるのではなく、人間世界に居続ける)
という興味深い図です。
スポーツでも習い事でも、
何かを会得するときはこういう過程を経ているのかもしれません。
小森谷さんのセミナーで最も心に残ったのは、写真のワークです。
①今の自分、②未来の自分、③自分の中のダークな部分。
3枚の絵をクレヨンで自由に描きます。
それを、みんながそれぞれ発表するのかと思いきや、
「描いたらすべて破ってください」と。
(おっと、破っちゃうんだ)と、私は意外な展開を面白がって、
張り替え前の障子を破る子供みたいな感覚で、
躊躇なく、ビリビリと手で破っていきました。
でも、なかなか破れない人もいたし、
手ではなくハサミで切る人も多かった。
また、絵を切らないようにハサミでくり抜く人もいて、
人それぞれ、いろいろなやり方があることが面白かったです。
次に、びりびりにした3枚の絵をミックスして、1枚の絵に再構築します。
今の私、未来の私、どろどろな私が、結合されるわけですね。
これで三角柱をつくってキャンドルを中に入れると、灯篭になります。
それはあたかも、一つ一つの魂がありのままに輝いているかのようでした。
このワークは、自分で描いた絵について、誰にも何の説明も行ないません。
それがかえって、自分自身と対話する時間となりました。
あと50年もすれば、このワークをともに行った人たちは、
私も含めてほとんどこの世からいなくなっているでしょう。
でも、人間の肉体は朽ちても、魂はこんな風に灯っているだろうと思います。
また、「魂を磨く」ことを考えたとき、魂だけになった状態では磨くことはできず、
人間の被り物をしているときのみ、磨くことができると私は考えます。
だから、生きている間に磨けるだけ磨いておきたい。
そんなことを思った、豊かな合宿でした。
次回の合宿は、長野の企業見学です。
中央タクシーと伊那食品工業の2社を訪問します。
こちらからお申込みいただけます。 http://whitecompany.jp/kouza/camp/camp-01.html
ホワイト企業大賞委員で
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした☆