こんにちは
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
「汐留塾」フォーラムに先立って訪問させていただいた、
日本理化学工業のレポートです。
(写真掲載のご了承をいただいています)
川崎に位置する日本理化学工業は、
約80人のうち7割が知的障碍者の会社です。
粉がでないダストレスチョークで全国シェアは3割。
大山泰弘会長の著書名の通り、
『働く幸せ』を常に第一に考えて来られました。
工場にて。 空気が入らないように
ギュッと力を加えて成形機器に入れます。
ラインから流れてくる まだ柔らかいチョークを両手で取って、
手前にそろえていきます。
技術のいる仕事です。
製造ラインで働く90%は知的障害の方々。
ひたむきに目の前の仕事に励んでいらっしゃいます。
笑顔で「がんばってます」と話をしてくださる方も。
知的障害者雇用・第一号社員の林さんが
完成チョークのシール張りをされていらっしゃいました。
15歳で入社されて実に50年。
この穏やかな笑顔♪ 聞けば、
林さんのお母さまは96歳でお元気にご健在だそうです。
勝手な想像ですが、
きっと、娘のために一日でも長く元気にいようと
思われていらっしゃるのではないでしょうか。
深い愛情を感じます…。
休憩室にて。 窓ガラスに「キットパス」で絵が描かれています。
キットパスとは?
凹凸のないガラスやホワイトボードに書いて
水ぶきで消せる筆記具です。
ビールグラスに「おつかれさま!」と書いたり、
いろいろ楽しめます。 http://www.rikagaku.co.jp/items/kitpas.htm
社員の方々の目標がそれぞれ掲げられています。
社屋の廊下に掲げられている日程表。
全社員が、大山会長の講演日程(外出)を知ることができます。
ここでも筆記具「キットパス」が活躍しています。
七福神の「恵比寿様」の話。
「恵比寿さまは障害者でしたが…」、
素敵な話です こちら ↓
日本の障害者法定雇用率をご存じですか。
56人以上の社員がいる民間企業は、
障害者を1.8%以上、
雇用しなくてはならないという義務があります(2010年現在)。
ところが、55%の企業は守っていません。
障害者を雇用するよりも、
罰金を払うほうを選んでいるのです。
そんな状況ですから、
日本理化学工業の知的障害者雇用70% という数値は、
もう、群を抜いて素晴らしいわけです。
ちなみに1万人超の大手企業で
健闘しているのはユニクロで、
障害者雇用率は8%(800人)です。
日本理化学工業の大山会長は、
著書『働く幸せ』の中で、 障
害者雇用のメリットを4点あげていらっしゃいます。
①労働力の確保
②会社に「助け合う風土」が生まれる
③消費者が味方になってくれる
④地域社会が支えてくれる
もちろん、メリットがなくても雇用するのが人間的ですが、
4つも利点がある事実は雇用を後押ししてくれると思います。
日本において、知的障害者の発症率は3%。
100人生まれたら3人は知的障害を持っている計算です。
家族も含めると、本当にたくさんの人々が関係しているのです。
日本理化学工業は、
坂本光司先生の著書のように 「大切にしたい会社」です!
この会社にはずっと存続していてほしい。
だから日本理化学工業の製品を買いましょう!
チョークを買いましょう、
キットパスを買って広めましょう。
それがこの会社を応援することになるのです。
一生働く幸せを知らずに
過ごされていたかもしれない林さんの あの笑顔が、
雇用の意義を教えてくれています。
<おまけ ~多摩川さんぽ~>
帰りは、多摩川沿いを歩いて二子玉川駅へ。
気持ちのよい散歩でした。
男の子が河原で遊んでいました。
こういう遊び、私も子どものころ大好きだったな。
よもぎが自生していたので、摘ませてもらいましてーー、
よもぎ白玉餅を作りました♪
香りはあまりなかったのですが、色はきれい。
ロハスな取材帰りでした。
講師で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。