2019.3.29
日本理化学工業・大山泰弘会長の偲ぶ会に参りました。
虹色のチョークと、
大好きだったという富士山をモチーフにした、
明るくあたたかな祭壇に、
大山さんは優しく微笑んでいらっしゃいました。
快諾いただきましたので、写真アップします。
「利他の歩みこそ より大きな自己実現への道」
社員のみなさんへ、文具業界の方へ、など それぞれの立場の方々にメッセージが。 
昭和39年12月10日、『日経新聞』の記事 
まさに障碍者雇用の先駆けでした
日本理化学工業をご存じの方は多いと思います。 http://www.rikagaku.co.jp/
このブログでもたびたびご紹介してきました。
①大山さんの講演について
②訪問記
③大山会長・坂本先生・私のコラボセミナー
④再々訪問
⑤大山さんご自宅で読書会
日本理化学工業は、ダストレスチョークやキットパスなど
文具の製造販売を主体とした会社で、
84人中、知的障碍者が64人と7割以上を占めています。
働く幸せの実践に対する深い共感、
商品に対する信頼や愛着の大きさも同社の特徴です。
大山さんには、取材や人をご紹介するために
幾度もお時間をいただきました。
大山さんの心配りを、私はずっと忘れません。
人をお連れした訪問ではいつも、その方々の前で、
「瀬戸川さんがね」、「瀬戸川さんのお陰で」と、
私を立ててくださるのです。
数えきれないほどたくさんの記者が来ているでしょうに、
名前を思い出してくださり、
たいしたこともできていない若輩者である私の、
なんというか名誉みたいなものを重んじてくださる。
大山さんの心配りには本当に胸打たれ、
自然と頭が垂れたものでした。
娘さんで同社の広報などを担っていらっしゃる真里さんが、
私の本の読書会をご自宅で開いてくださったことがありました。
真里さんの手料理のおもてなしと、
経営者ではなくお父さんの大山さんと
お会いできたのもいい思い出です。
そのときの思い出の写真たち。右は大山さんと真里さんと。 
下は、2012年ごろ、「幸せの像」の前で
大山会長と撮ってもらった一枚です。
この像には、大山さんの
経営者人生を貫いた言葉が彫られています。 
初めて障碍者を2人雇用して間もなく、
大山さんは法事に出かけられました。
そして、たまたま隣に座った禅僧との会話に困り、
気まずさを埋めるために話をされました。
「働かずに施設にいたほうが楽なのに、
なぜ彼女たちは働きに来るのでしょう」。
銅像に彫られているのは、
このとき禅僧が言われた言葉です。
「人間の究極の幸せは、
人に愛されること、
人にほめられること、
人の役にたつこと、
人から必要とされること
の４つです。
働くことによって
愛以外の三つの幸せは得られるのです」。
大山さんは、障碍者雇用の意義に気づかれ、
ならば一人でも多く採用しようと決心。
その実行の先に、
「一生懸命に働くことによって、
愛をも得られる」
との思いを持たれました。
この話を思い出すたびに、
自由に働けることがいかに幸せなことか、
いかに奇跡的なことかに気付くのです。
利他なる経営を身をもって示され、
心の豊かさや美しさを学ばせてくださいました。
大山さん、本当に本当にありがとうございます。
合掌
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
