きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

あぶないFAXオーダー


「特上 幕の内弁当 6個 ○○大学○○研究室」


久しぶりにこんなFAXを受信しました。

近くのお弁当屋さんと番号が似ているので迷子FAXが届くのです。

年に数えるほどですが、それがかれこれ10数年、続いています。

通算すると結構な回数に上ります。


お腹を空かせた大人たちが、

来るはずもないお弁当を待ちぼうけ している図は、、、

すみません、ちょっと笑えます。

が、実際問題、腹を満たす 「お弁当」 が届かないなんて大ごと。

お弁当屋さんがぬれぎぬを着せられるのも気の毒なので、

可能な限り、連絡をして差し上げてます。

無視するのもなんだか後ろめたいですしね。


しかし、不在のときはもちろん連絡できませんし、

困ったことに、 送信側とお弁当屋さんの両方とも電話に出ないときがあります。 バタバタしているときはFAXを転送してあげるのも忘れてしまいます。

また、お弁当以外にも、他社の部品注文が届いたりもします。

ここで、中小企業診断士として言わせてくださいな。

「それでいいんですか?」 と。


企業にとって、受注は生きる糧。生命線です。

その一つひとつが明日を支えてくれるんです。

数多くの会社の中から、たった1社、自社を選んでくれているんです。

なのに、それでいいんですか?


必ず届けてもらう工夫をしなくちゃ!


間違い電話なら、間違えたことが分かりますが、

FAXは違う番号でも受信されてしまうことがあります。

すると、送った相手は 「送信完了」と思い込んでしまうので、

確認の電話も入れないのではないでしょうか。


FAXでオーダーを取る企業はまだまだ全国的に多いようですが、

あぶないですよ。

自社も困る、

お客さまも困る、

ついでに困るの、私も。

 

FAX後に必ず電話を入れてもらうとか、工夫をしてくださいね。

とりわけ、お弁当のように

「その時に絶対に届かないと困るもの」 を 提供する企業は、

よくよく考えていただきたいと思います。


ところで、先のお弁当屋さんは、

FAXでオーダーを受けているわりには

注文用紙に印字されたFAX番号の文字がとても小さい。

文字が潰れて3だか8だか6だか分からない。

顧客志向とは言えません。


一方、通信販売企業は、

さすがFAXオーダーを重視しているだけあって、

FAX用紙の表にも裏にも、

間違えようのない大きな文字でFAX番号が印字 されています。

しかも裏面は、

FAXを送るときに送り手から見やすいように 表と逆向きに、

さらに用紙の上と下それぞれに番号が印字されています。

うん、これが顧客志向。


顧客側に発注ミスがあると、

結局、企業側の手間が増えて効率も悪い。

それ以上に、顧客のモチベーションを下げてしまうことが怖い。

FAXを過信しない、受注は必ず受ける、

そのための一つひとつの工夫は、

お互いの満足度向上につながる取り組みになると思います。


最後にもう一度、受注は生きる糧。生命線ですよ!


経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。