今日は、中小企業診断士の理論研修をzoom受講しました。
ということで今日のブログは、
その理論研修の中で出た問い、
「なぜ労働生産性を高める必要があるのか?」
をテーマに進めます。
まずは、おさらいから。
労働生産性ってなんでしたっけ?
式は、労働生産性=生産数÷労働者数
投入した労働によってどれくらい生産できたか?
投入した労働によってどれくらい儲かったか?
をはかる指標です。
15人の工場で1日3万個のモノを作ったら
3万個÷15人=1人当たり1日2000個。
15人のオフィスで月3000万円を売り上げたら、
3000万円÷15人=1人当たり月200万円。
この労働生産性をもっともっと高めよう!
と盛んに言われます。
なぜなら、日本の労働生産性はとっても低いんです。
OECD加盟国の1人当たりGDP(2018年)
図はこちら(3ページに掲載)
1 位のアイルランド(日本円換算で1814万円)に比べ、
21位に甘んじている日本は824万円。
差は2倍以上!
しかも、労働生産性の平均上昇率では、
日本はマイナス0.2と、落ちこぼれ。
なかなかの衝撃ではないでしょうか?
今年だけ悪いんじゃなくて、
毎年、悪くなっているんです。
日本の労働時間は長いのに、
どーして?と不思議ですよね。
要するに「無駄な無駄」が多いのです。
私は拙著で「効率より無駄が大事」と書きました。
コミュニケーション円滑のための社内イベントなど、
そういう意味のある無駄はとても大事だと思っています。
一方、無駄でしかない無駄があるのです。
例えば、今日の分の仕事は済んでいるのに、
他の人が働いているから帰れないとか。
正規雇用が減っている日本では、時給で働く人が増え、
少しでも長く働くためにゆっくり仕事をする人も
いるかもしれません(←決して責められません)。
はたまた、日本は年功序列の会社が多いので、
働かなくても歳を取れば高給取りになれる。
それが労働生産性を下げているという主張もあります。
無駄な動きを「丁寧だ」と勘違いする風潮もあります。
(丁寧か無駄かの見極めは難しい)
「合理的」ということを「冷たい」と変に解釈し、
合理的にさせない文化もあるかもしれません。
このように、日本全体を俯瞰すると、
労働生産性が低いわけがいろいろ浮き出てきます。
はい、では、前置きが長くなりましたが
本題です。
「なぜ労働生産性を高める必要があるのか?」
最も言われるのは、
・労働人口が減るのだから、生産性を高めないと
たちゆかなくなる、というものです。
・人件費を下げるため、もよく聞きます。
私はこれらよりも、もっと大事なことがあると考えています。
それは、人の能力を育んだり高めたりするためです。
生産性を高める過程では、創意工夫をすることになり、
何らかの形で能力を育むことになると思うのです。
無駄な仕事はIT化をどんどん進めて、
人間しかできない仕事に注力する。
生産性が高まって時間のゆとりが生まれたら、
付加価値の高いアイデアの創出にもつながりそうです。
会社が豊かになれば正規雇用も増やせます。
さらに私が思うのは、
そもそも「労働」という考えが古いな、と。
「報酬のために体力や知力を使って働く」という考え方が。
前にマズローの6段階説を紹介しましたが、
※ 詳しくはこちら。
「報酬のために働く」というのは安全欲求で、
下から2番目です。
いや私はもっと高いけど、という方もいますよね?
労働生産性がどうこう言われると、
労働者とみなされているみたい。
上から目線を感じる言葉だなって思いました(笑)。
若干、脱線しました。
「なぜ労働生産性を高める必要があるのか?」
あなたはどう思いますか?
自分の考えをまとめてみると、
「そうだ私はこう思っているんだ」
「これについて分かっていなかった」
などなど発見があります(^^)
ではまた~。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。