きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

自分にとっての同調圧力に逆らおう

 

こんばんはー。早くも4月最終週となりました。

そういえば私は、もう1カ月、電車に乗っていません。

会議も取材もお喋りも、オンラインでしのいでいます。

案外、できちゃうものです。

 

さて、今日のテーマは

「自分にとっての同調圧力に逆らおう」です。

 

コロナ禍(か)で世の中がしょぼんとしている今、

「いいことをやろう」という動きが出てきています。

 

寄付を募る

困っている店から何かを買う

情報をシェアする

メッセージを集めて贈る

 

いいことはどんどんやって行きたいです。

でも、もしも、いいことを人に誘われて、

次のように思ったら、立ち止まってみましょう。

 

「なんか嫌だな。でも断りにくいな」

 

これを分解すると、2つに分けられます。

 

なんか嫌 ……… 直感(心)

断りにくい …… 思考(頭)

 

誰にでも経験があるのではないでしょうか。

 

こういうとき、自分にとっては直感が正しかったりします。

これは最近、私に起きた出来事です。

今「7日間ブックカバーチャレンジ」が流行っています。

 

好きな本を1日1冊選んで表紙をSNSにアップ。

同時に1日1人に声をかけ、

計7人に同じチャレンジをしてもらうものです。

 

私は本が大好きだし、実際、6冊書いているし、

素敵な本が広まるのはいいことだし、

声をかけてもらったこと自体は嬉しかったです。

このチャレンジを批判するつもりは毛頭ないんです

7人は多い気がするけど、

やっている人は楽しそうです。

仮に私の本が紹介されたら喜んじゃいます(笑)


でも、自分がやるのは断りました。

「なんか嫌…」だったんです。

声をかけてもらって嬉しかったのに、

なにが私の中でひっかかったんだろう?


答えを探す過程で、思い出しました。

マザー・テレサのドキュメントDVDに、次の場面があります。

 

米国の若きカメラマンがマザーに言います。

「あなたの写真を米国に持って行き、
 薬と援助を求めます」

 

するとマザーテレサは間髪入れずに言うのです。

「お金を集めないで。

私たちの名でお金を集めることは禁じています。

あなたの助力はいいけど、人に頼まないで。

あなたが嫌な思いをしますから」

 

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この場面、たとえお金の話じゃなくて、

チラシの配布を頼みます、という話だとしても、

「人に頼まないで」なのだと思います。

 

なぜなら、「いいこと」って断りにくいからです。

 

困っている人に寄付をしましょうと誘われて、

「嫌です」なんて誰だって言いにくい。

つまり、優しい仮面をかぶって

無理強いをしてしまうわけです。

 

これってともすると、同調圧力につながるのでは?

無理強いをしたら、

した本人も、された人も、

寄付される側も印象が悪くなって、

結果、いいことがないし、続かない。

 

だから、

「あなたの助力はいいけど、人に頼まないで」

と言ったのではないでしょうか。

 

この米国の若者が慈善活動を続ける過程で、

「私も加わらせて」と誰かが言ってきたら

そこではじめて仲間を増やせばいいわけです。

 

「7日間ブックカバーチャレンジ」に話を戻すと、

本の紹介くらい簡単なことだし、

私にバトンを渡そうとしてくれた人には感謝です。

 

ただ、そういうにおいを私が勝手に感じたから、

「やります」と言えなかったのです。


もう一つ思い出しました。

以前、ほとんど交流のない人から突然、

アジアの貧困層に寄付するサイトを、

瀬戸川さんのFacebookにアップしてほしい

とメッセージが届きました。

 

まあ、同じ理由でアップしなかったんですけど

(私、寄付は他の団体に毎月しています)

次にその人と何かのイベントで偶然会ったとき、

私のあいさつを無視したんです。

おお、わかりやすい。これぞ同調圧力(笑)。

 

世間的な「いいこと」って、

こういう無理強いが含まれることがあるのです。

 

私は私の心が動いたものを支援していきたいし、

また、自分が感動して心が震えたからといって、

人に押し付けたくありません。

 

「素晴らしいよ!」とは伝えるけれど、

相手が見るからにノリノリじゃない限り、

たやすく「ぜひ一緒に!」とは言いません。

 

同調圧力の何が嫌かというと、

個人の思想の自由を奪うからです。

 

いいことは、どんどんしていきたい。

困ったときはお互いさまだとも思います。

 

でも、「なんか嫌だな」を感じたときは、

自分が大切にしている何かが汚されるぞと、

本能が信号を送っている可能性があります。


コロナで大変な時代だから、
これからきっと、「いいことをやろう」と
言われる機会が増えていくと思います。
「いいね!やろう」と思えるものはどんどんやりましょう。
 
私もやっていくつもりですし、もう始めています。

でもそれと同時に、

「なんか嫌」という直感に素直でいましょう。

 

この話は、頑固者で皮肉屋の人が持っている

「なんか嫌」を肯定するものではありません(笑)。

 

そういえば…!

私が長年、懇意にさせていただいている

優れたリーダーの方々って、

一度も私に同調圧力をかけたことが、ない!

 

私もそうでありたいと思います。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

 

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「いい会社」のよきリーダーが大切にしている7つのこと - 瀬戸川礼子
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