きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「理念と評価は2つでワンセット」


こんにちは。ジャーナリストの瀬戸川礼子です。

「理念と評価は2つでワンセット」
「評価が理念に導く」
と私は思っています。

日本経営品質賞を受賞している川越胃腸病院は

突出したホスピタリティと優れた経営状態で知られますが、

その土台には「評価制度」があります。

資格や経歴などの絶対評価は行わず、

思いやりやチームワーク、熱意、創意工夫など

人間性に重きを置いた制度です。

病院では非常に珍しい取り組みですが、

素晴らしい効果を得ていらっしゃいます。

なぜ、人間性を評価するかといえば、

「良き医療は良き人が根幹」と考え、

「人間性尊重の職場づくり」を目指しているからです。

だから、

目指していることを体現していれば、

その人はちゃんと評価される公平な仕組み

にしているのです。

働く人も正しいことをすれば褒めてもらえるのですから、

やりがいが高まりますよね。

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一昨日は、富士製薬工業を取材させていただきました。

7月に上場した薬の会社で、

社会への貢献と自分たちの質的な成長を理念に掲げています。

取材テーマは「徳目評価」。

徳目とは、文字どおり「徳」の「細かな項目」のことで、

仁・義・礼・智・信や規範・中庸などがそれです。

富士製薬工業では、

「貢献と成長」という理念をさらに具現化するため、

自分たちの人間力をもっと高めていこうということで

徳目評価を春から始めました。
まさに「理念と評価は2つでワンセット」です。

具体的な評価項目としては

「謙虚さを忘れずに周囲の人に接している」などがあります。
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私は日本全国の会社に出向き、

たくさんの人と出会って感じます。

すべての会社はお客さまに愛される人材を欲していますし、
コミュニケーション上手で一緒に働いていて楽しい人材を欲しています。

それがお客さまや自分たちの幸せに結びつくからです。

それなのに、評価となると、違ってしまうのです。

たとえば、親が 「優しい子に育ってほしい」

と願っているのに、

テストの点数が高いときばかり褒めて、

公園でほかの子にブランコを変わってあげたときには褒めない。

すると、どんな子に育つでしょう。

この親子の話は、みんなが「おかしい」と思うはずです。
でも、こうした矛盾が会社では平然と行われています。

多くの会社は、望んでいるはずの人柄を軽視し、

売上高、契約数、年数などの絶対評価をしています。

もしくは、何の評価もしません。

これでは、
「うちは顧客第一と言ってるけど、本当は利益第一なんだよ」
「うちは別に目的とかなくて、日々が送れればそれでいいんだよ」
と、暗にメッセージを流しているのと変わりません。


売上を上げた人を褒めるのは何の問題もありませんが、

売上などの絶対評価ばかりするのは大問題です。

理念に叶った行動を取っている人こそ尊いはずです。

また、 1,2,3とかABCなど

点数化だけが評価ではありません。

「いつも○をしてくれて助かっているよ」

「○さんがあなたが○をしてあげたことを褒めていたよ」など

言葉やメモなどで日頃の言動を褒めるのも立派な評価です。

「理念と評価は2つでワンセット」
「評価が理念に導く」

この考えをもっと広めるために私も願晴りたいなと思います。

昨日の楽しかった講演で声が枯れ気味の、 瀬戸川礼子でした♪  

 

「いい会社」のよきリーダーが大切にしている7つのこと - 瀬戸川 礼子