こんにちは。
この連休、長崎へ行ってきました。
今回の目的は、 人生初の「お座敷遊び」です。
19人の仲間が全国各地から集い、
長崎・丸山の料亭「花月」さんへ。
http://www.ryoutei-kagetsu.co.jp/
ここは寛永19(1642)年からお客さまを迎え続け、
常連客の中には坂本龍馬の名ものぼる史跡です。
卓袱(しっぽく)料理も評判で、
お料理だけいただくこともできます。
私たちは男女全員、着物姿。
自分たちが見ても相当華やかでしたし、
お店の方も芸者さんたちも
みなさん喜んでくださってうれしかったです。
いいサービスを受けたいなら、
いいお客さんになることが大切ですね。
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ここは一見さんも楽しめますし、
雰囲気もオープンでした。
とはいえ、お座敷遊びのことを、
こと細かに書くのはヤボというもの。
なので一つだけ、
お三味線の桃勇ねえさんから
うかがった話をご紹介したいと思います。
桃勇さんは芸歴70年!
12歳で始めて以来、この道ひとすじです。
どんな人生だったかなんて
軽々しくお聞きすることはできませんが、
三味線の弾き過ぎで曲ってしまった
という節くれだった指が、
その歴史を物語っているかのようでした。
手を触らせていただいたんですけれども、
何というかーー、
日本の宝のように感じました。
小さなあの手で、
時代を、花柳界を、
生き抜いてこられたんですよね。
いま書いていても、
なんだか鼻の奥がツーンとしてしまうんです。
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さて、お聞きしたお話を一つ、でした。
お座敷では歌にしろ踊りにしろ
数えきれないほどの芸があって、
中には色っぽいものもあるのですが、
桃勇さんはおっしゃいます。
そんなときは
「平気でせんといかん」。
恥じらったり、
思い切りが悪いと、
かえっていやらしくなる。
だから、「何の気なしにやらんと」 。
これは大事なことだ! と心に刻みました。
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これと似たことって、
日常にもゴロゴロあると思います。
たとえば、
突然、頼まれる人前でのあいさつなんかがそうです。
「いえいえ役者不足です」
なんて、遠慮すればするほど、
場が白けてしまう。
だから、内心ドキドキでも
「喜んで!」と笑顔でマイクを持つのが正しい。
正しいし、そのほうが優しい。
ついつい、尻ごみしてしまうんですけど、
遠慮する態度は、実は利己的でかっこわるい。
思いやりが本物かどうかって、
たぶんこういうときに出るんじゃないかな。
そして、油断しているときに限って、
試されるときが来る (笑)。
「平気でせんといかん」
忘れないようにしよう。
桃勇さんは今月、
NHKの「ヒストリア」という番組に登場されるそうです。
このお座敷遊びをするために、
着物のレンタルと着付けもしました。
そこでも、長崎の方々の優しさをたくさん受けましたので、
明日のブログではそのことを追記したいと思います。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。