きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

旅館八景さんのクレームへの返信がバズってよかった


こんにちは。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 

いまTwitterでバズッている、

↑ のちに、この方のTwitterはなりました。
この投稿ではなく、ほかの投稿が炎上して
Twitterから去られた模様です。
 

この投稿は、
旅館八景さんが、宿泊客からのクレームに対して
ズバっと返信した文面が紹介されています。
 
21.9万いいね! 4.8万リツイートの勢い。
(その後、さらに伸びてます)

 
70代の男性(ハンドルネーム:けんちゃん)からのクレームは、
・到着したのにすぐ出てこなかったことへの不満
・カニ鍋への不満
・妹に対して「お母さん」と声をかけ、
 それに対する謝罪がなかったことへの苦情。
・最後に「今後湯原温泉に行くことはないでしょう」


これに対して八景の返信がこちら。
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・宿泊のお礼
・けんちゃんさまご一行のスタッフを馬鹿にするような態度
 「所詮、岡山人なんてこんなもん」という差別的な発言を
 はじめとする数々のお言葉(これ以上は出せないくらい)
 があったということ
・ほかの宿泊客も珈琲を楽しむテーブルに、
 スリッパをはいたまま足を置くという
 こんな失礼なお客さまは、初めてだということ
・お客さまが選んだのは冬得キャンペーンで
 破格でカニ鍋をお楽しみいただくものであり、
 通常のカニコースならば一人で1杯ずつの
 フルコースであったこと
・ほかのお客さまの迷惑になっているのは
 紛れもなく本当であること
・楽しいお食事や時間を過ごしている周りのお客さまが
 旅館やスタッフの人格を侮辱するような言葉を聞いたり、
 自分たちもくつろぐテーブルに足を置かれたら
 どんなお気持ちだったかを思うと
 大変、胸が痛いということ
・旅館業に働く者を小馬鹿にするような姿勢は
 たとえ田舎の旅館であろうとも
 我慢できるものではないということ
・お客さまがどれほど自己中心的であるか
 ご理解いただけますでしょうか、ということ
そして最後に、
・そんなお方とは、私共もお付き合いする気は
 今後一切、ございませんのでご安心くださいませ。
 稚拙で脚色された文章、
 ご丁寧にありがとうございました。

と結ばれています。
いやー、ここまでズバッと書かれた返信は
確かに私も初めて見ました。


いいと思う。


一般的には「申し訳ございません」ですよね。

お客さんが悪い、と内心で思ったとしても、
この返信をほかのお客さんも読むわけだから
当たり障りのない返信になるはずです。
でも、この旅館は違いました。

痛快だなあ!と思って読んでいたら、
最後に、「あの八景さんだ!」とわかって、
なるほど、真っすぐな女将さんらしいって感じました。


2016年に、女将さんインタビューで伺っているんです。
女将の浩子さん(左)と一緒に。そのときのブログはこちら

 
珈琲を楽しめるラウンジは、質のいい家具ばかり。
スリッパのまま足を置いていいテーブルはどこにもありません。


八景の女将さんは、
とってもチャーミングで心根の美しい方。
お話が生き生きしていて、

自分を生きてる!という感じ。
ほんと楽しかった。

こういう方、好きだな~と思って、
取材後、岡山の知り合いの経営者(人間力の高い方)に、
「ぜひ行かれて会ってください!」と
強く紹介したほどです(実際、行かれました)。


自分の哲学を持ち、
働く人を尊重し、
仕事に誇りを持っている。
そして、人におもねるということをしない
素敵な経営者だと感じます。


twitter上でも、理不尽なお客さんに
NOを言う痛快な旅館の返信に対して、
寄せられた500以上のコメントのほとんどが、
賛同していました。


ああ良かったと安堵するやら嬉しいやらで、
女将の上塩さんにスクショしてすぐ連絡すると、


上塩さんは、お子さんからすでに聞いていらして、
同業者の方からも「よくぞ言ってくれました」など
メッセージが届いていると教えてくれました。


上塩さんが、Facebookへの投稿をOKしてくれたので、
このブログでも紹介しています。
こういう芯のある宿、行きたくなりませんか?

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私は思うんです。

子どもにはいじめは駄目と言うのに、
わたしたち大人が、
クレームという都合のいい呼び名で
いじめをするのはもっと駄目でしょ、って。
(すべてのクレームがいじめ
 というわけではありませんが)。


八景さんのこの返信は、
サービス業界が抱える
「いつの間にかお客さんをつけあがらせた」
という問題はもちろんのこと、

私たち大人(お客)全般のいじめ問題にも
一石を投じてくれていると感じました。


たかだか数万円払ったくらいで
えらそうにするとか(いくら払ってもNGだけど)、
愛のないクレームを入れるのってダサいよね。
そんな風潮になればよいなあ。


後日、旅館八景の上塩浩子さんのご協力で
この話を動画にさせていただきました!
浩子さんも思いも代弁しています。

youtube「クレームに反論しよう!」
こちらからぜひご覧ください。
23 クレームに反論.png
 
 
【書籍のご案内】
1冊に55人の女将さんの半生をご紹介。
八景の女将・上塩浩子さんもご登場!
ぜひ読んで知っていただきたいです。
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女将さん取材歴27年で
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の
瀬戸川礼子でした。
 

「顧客満足4つのタイプ」はこちら
「喜び」しか要りません。
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