こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
先日、懇意にしているある会社の総会に参加してきました。
すべての部が、パワーポイントを使いながら、
日ごろの仕事や目標を発表し合うもので、
それぞれの質問コーナーも設けながら、１日かけて情報を共有しました。
まじめ一本槍ではなくて、笑いも交えた楽しく学べるいい時間でした。
笑いがあったほうが、情報の吸収率も高まるんですよね。
その後は懇親会へと突入。
大いに盛り上がる場で、ふと私は前の職場を思い出しました。
朝８時半～夜１１時まで働くこともざらにあって忙しかったけれど、
みんなでわいわい言いながら働くのは楽しかったなと。
あの経験があったから、今の自分があります。
ただ前職では、この会社のように、
部ごとの目標や課題などを、時間を取って共有化することは
ありませんでした。
だから、「他の部が具体的に何をやっているのか、何に困っているのか？」は、
他の部の人と食事に行ったときなどに、断片的に知るだけでした。
もし、総会のような時間があって、各部の動きや思いを知っていたら、
もっと仲間意識が高まったんじゃないか、
もっと助け合ってよりよい取り組みができたんじゃないか…。
そんなことを思いました。
大企業の場合は、全員が一堂に会すことはできないから、
同じ部門だけ全員、同期だけ全員、リーダーだけ全員、
あるいはネット中継するとか、いろいろ方法がありますよね。
これは、講演で私がときどきお見せするパワーポイントのスライドです。 
仮に、大きな手漕ぎボートで仲間と旅をするならば、
乗り組み員は一人残らず、同じ方向にオールを漕ぐ必要があります。
会社もそう。ばらばらにならないために、全員が互いの取り組みを知り、
どこに向かっているのかを理解し合うことは、
これはもう「仕事」といっていいでしょう。
そして、共有化を活かすエネルギーは何かというと、
それはコミュニケーションです。
互いに意志疎通をはかることです。
たとえ総会で理念、課題などを知り合っても、
そこに人間的なコミュニケーションがなければ、
エネルギーがないのだから、「動き」には至りません。
人間は、お互いの意志疎通のないところで、
貢献意欲を湧き立てることはないからです。
まれに一時期、できたとしても、長続きしません。
マニュアルやルールをつくっても浸透しない会社は多いですが、
大抵はこの意志疎通のなさに原因があります。
いまだに、「コミュニケーションなんか」と下に見る人はいますが、
そう言う人は例外なくコミュニケーションを取るのが下手なタイプ。
だから、苦手なものを避けるために、
「それで売り上げは上がるのか」とか、
「技術力のほうが大事」だとか、一生懸命、言うのですが、
彼らが並べるもっともらしい理屈は、実は保身から出る言葉ですから、
真（ま）に受けないように気を付けましょう！
全員が集まるメリットを２つに集約するなら、共有化とコミュニケーション。
もちろん、技術力、接客力などもそれぞれ強化していくわけですが、
共有化とコミュニケーションがないと、努力は活きず、継続もされません。
お金に直結する本業だけが仕事ではないのです。
先の総会後の懇親会で、
たくさん笑って顔が筋肉痛になりそうだったコンサルの瀬戸川礼子でした。
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