私は図書館のヘビーユーザー。
ここはパラダイスといっても良いくらいです。
新しい本はあまりありませんが、
読み継がれた良書の息遣いがいいし、
書店と違い、
何時間でも好きなだけ本を手に取っていい自由さがあるし、
いすとテーブルもあるから、
ちょっとメモしたりもできます。
本は、その道のプロである書き手が、
何年もかけてやっとものにした情報や話を、
数時間や数日で読めるくらい凝縮して届けてくれるスゴイ存在。
自分も著者なのによく言うよという感じですが、
一介の読者として心からそう思っています。
哲学書から絵本まで優れた本は山ほどあり、
それを何度、読み返すのも自由。
咀嚼して応用するのも自由。
なんて素晴らしいんでしょう。
けれど一方、本に頼りすぎてもいけないなとも思っています。
たとえ歴史的な名著でも、
「ほんまかいな」と思ったら、その直感は自分にとって真実であり、
謎に向き合わないと自分の思考が乗っ取られてしまいます。
もちろん真っ直ぐ素直に読むことは大事で、
疑いながら本を読んでもつまらないし、栄養になりません。
ただ、「ん?」という感覚までスルーしてしまうような、
従順すぎる素直さは時に危険のように感じます。
人の思考をすべて受け入れて、「そうだそうだ」とやっていたら、
自分自身の思考はどこへ行ってしまうの?と思うからです。
深く、広く、成長できる思考が育たないじゃないか、とも思います。
わりと素直な私は(笑)、そこんとこ気を付けています。
そして、気を付けるためにも、気を付けながらたくさん本を読むのです。
著者で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。