こんにちは。ジャーナリストの瀬戸川礼子です。
23日、茨城県を中心に66店舗の飲食店を展開している
「坂東太郎」さんへ取材に行ってきました。
茨城は震災の被害が大きかった県で、
同社も店舗によっては被害を受けられたそうですが、
取材地の古河は大丈夫だったこともあり、
約束通り時間を取ってくださいました。
青谷洋治社長と「家族レストラン坂東太郎 古河総本店」のみなさん。
明るく元気な声が店内に響きます。
「1」の意味は、「日本一幸せな企業を目指そう!」の「1」です。
「家族レストラン坂東太郎 古河総本店」は、昨年12月に開業。
家族が心置きなく過ごせる空間を提供されています。
テーブルに「お母さんへ」と書かれた案内が置かれていました。
「お子さんは散らかすことの名人です。
(中略)私ども店の者が片付けます。
いらっしゃった時ぐらい、ゆっくり召し上がってください」
青谷社長の修行はそば屋からスタートしただけあって、
おそば、おいしいです。セットは1300円程度で満腹に。
取材後、古河駅まで送ってくださる道すがら、
社長室の遠藤室長から伺った話です。
震災の日、夜11時ごろ。
本部で、幹部ら6人が話し合いをしていたとき、
ある店舗の女性店長から、
高齢の母が家を出たきり見つからない、と連絡が入ったそうです。
店長の自宅は、車で2時間半かかる距離にありました。
青谷社長は、「心細いだろう。行こう 」 と即決。
ほかの幹部も当然のように立ち上がり、車2台で向かいました。
店長の自宅が近づいた時点で、見つかったと連絡が入り、
車中に安堵が広がりました。
それでも自宅に顔を出し、「よかったね」とねぎらいました。
店長は、ありがたいと涙を流されていたそうです。
大変な事態が起こった日、
明日からも大変なことが待っているときに、
経営者はじめ幹部たちが、
一人のスタッフのために、真夜中に往復5時間をかけて車を走らせる。
経営そのものよりも、働く人の幸せのほうが、優先順位が高いのです。
社長室の遠藤さんは、金融機関から転職して7カ月。
いままでの職場では考えられなかった人間的な出来事を
数々、経験させてもらっています、とおっしゃっていました。
仕事で感動して泣く経験も、転職して初めて味わったそうです。
「親孝行、人間大好き」という企業理念が実践されていました。
「坂東太郎は幸せ創造企業」という言葉が実践されていました。
計画停電や宴会のキャンセルなど大変だと思いますが、
取材した昼時、次々とお客さんがやってきます。
そして、帰られるときの顔がみなさん微笑んでいる。
そんな表情を青谷社長と一緒に窓越しに見ていると、
温かい気分で満たされました。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
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『おもてなしの原点 女将さんのこころ』 その一、その二
全国55人の旅館の女将さんが、4ページずつ顔写真付きで登場。
人生について、おもてなしについて、教育、地域活性について。
普段はあまり語られない心の内を書いています。