原油価格はどう決まるのか。
これも前回ブログで書いた「原油高にまつわるお話(歴史観)」に引き続き、
渥美堅持教授に聞いて理解したお話です。
原油も商品ですから、需要と供給で決まるわけですが、
いま問題に上がっているのは「投資対象」になっていることなんです。
お金持ち(含む企業)が、原油をたくさん買い占めています。
すると、市場から一時的に原油が少なくなります。
たくさんの需要に対して、少ししか供給されなくなるわけですから、
「高くても買う」という企業や人が増えて、値段はどんどん釣り上がっていきます。
そして頃合を見て、お金持ちは安く買った原油を高い値段で売り、
利幅を儲けます。
この流れが確実にあります。
前回、産出量のことを問題に挙げましたが、
実は、原油の高騰を緩和するには、投資活動も何とかしないといけないんです。
何とかするためには、お金持ちの投資が別のところに向かわないといけない。
渥美教授は、それが代替エネルギーかもしれない、おっしゃいます。
代替エネルギーとは、ご存じのとおり風力発電や太陽光発電などですね。
ところで、
石油の価格が上がると、物価も上がって生活は本当に大変ですが、
すべて悪いことばかりかというと、そうではなく、いいこともあるのでした。
それは「石油に代わる、代替エネルギーの開発が進むこと」 (渥美教授)です。
石油の値段が上がって買えなくなると、人々は何かと困るので、
別のエネルギーをつくろうという動きが出てきます。まさに今がそうです。
石油が高騰したからこそ、出てくる動きなんです。
ただ実際問題、やはり石油は便利でこれまでずっと使われてきましたから、
値段が高くなると漁船も農業も製造業も物流業も消費者もみんな困ります。
とはいえ、石油が安くなると、代替エネルギーの開発は不調になります。
安くなったんだから石油だけに頼ればいいじゃないかというと、それもまずい。
将来、石油が何かの理由で使えなくなったときに世界が止まってしまう。
やはり石油に変わる代替エネルギーは必要ということになる。
でも石油が高いのは困る……、
つまり、堂々巡りなんです。
洞爺湖サミットでも解決策が出なかったわけですから、難しい問題です。
せめてどういう問題があるのかくらいは、多少、分かっておきたいなと思います。