こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
昨日、赤松良子さん(94)が亡くなられました。
労働省(現在の厚生労働省)の婦人局長で、
1986年 男女雇用機会均等法 成立の中核でいらした方です。
男女雇用機会均等法 は、
職場での性差別を禁止し、男女を平等に扱うことを定めた法律です。
例えば、人材募集や採用、昇進、給与などにおいて
男女の平等を定めています。
また、セクシャルハラスメント防止のために、
事業主に雇用の管理を義務づけてもいます。
↑ 当たり前のことだと思うじゃないですか?
でも、昔は違ったのです。
同じ内容の仕事をしていても、
男性のほうが女性より給与が高いとか、
男性のほうが早く昇進するというのは
どこにでもあることでした。
こうした性差別は、法律が施行されてから
40年が経とうとしている今でも
残念ながら残っています。
ですが、法律になったことで、
なかった頃に比べればずいぶん差別が
なくなったのも確かでしょう。
~ ~ ~
この法律は、私より少し上の世代の女性たちから
大きな変化をもたらしたものでした。
また、私が社会人になって最初に就いたエレクトーン講師
という職業にはほぼ関係のない法律だったので、
男女雇用機会均等法の制定は覚えていません。
けれど、こういう法律を成立させる必要があった
ことを考えれば、いかに日本社会が差別的だったかを
察することができますし、
成立がいかに大きな出来事だったかが想像できます。
法律の制定は、高い高い壁があったと思いますが、
赤松さんが中心となって成立されました。
いまでは、同じ仕事内容なのに男女で給与の差があれば
堂々と訴えることができます。
全ての女性が、赤松さんのお世話になっている
といっても過言ではないと思えます。
~ ~ ~
赤松さんは、細川内閣の文部大臣に就任され、
後に日本ユニセフ協会会長になられました。
ほか、さまざまな職務のほとんどは、
恐らく「女性で初めて」ではなかったかと思います。
そんな赤松良子さんの名言
猛烈に勉強しなさい。
そして、働きなさい。
チャンスは必ずやってくる。
女性というだけで差別された経験が少しでもある人なら、
この言葉の重みを感じることでしょう。
ありがとうございました。
ご冥福をお祈り申し上げます。