こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
今日のテーマは
「選択の自由 と 選択の不安」です。
・朝食は和食と洋食から選べます。
・この服は5色展開しています。
・返礼をカタログで選んでいただけます。
・刷新するユニフォームは社員が選びます。
などなど、
「選べる」ということは、
その自由を与えられていることであり、
大体において喜ばれるイメージがあります。
ただし、
そのコトやモノの素人なのに、
いくつもの選択肢の中から
「自由に選べます」と言われても、
あんまり嬉しくないこともあります。
例えば、ゲームをしない私が、
何かの理由で一つのゲームを制覇する必要に
迫られたとして、
「この中から好きなゲームを自由に選んで」と
選択肢を広げられても、たぶん楽しくない(笑)。
選び方が分からないから戸惑うだけなのです。
また、例えば、外国旅行に行って、
知らない料理ばかりのメニューを手にしたら、
選ぶ楽しみよりも、何が出てくるのか?という
不安のほうが勝りそうです。
つまり、自分で選ぶことに対して、
楽しさや自由を感じられるのは、
それを選ぶ能力やゆとりが備わっていてこそなのです。
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たまに、
選べるサービスじゃなくていい、と思うことがあります。
分かりやすい例だと、
こだわりの強い独創的なレストランの場合、
複数から料理を選ばせるよりも、
「これがうちの今日のメインです」と一択で、
店が胸を張って出してくれたほうが
満足も感動も高いことって結構あります。
先日、美瑛でワーケーションしたときも
こんなことがありました。
電動自転車で美しい景色の中をかっ飛ばす!
という、素ん晴らしい体験をしたんですけど、
電動自転車が3タイプあって、選び方が分からない。
その様子を見たお店の人がすぐに、
「〇タイプがおすすめですよ。これなら間違いないです」
と、選んでくれて、私たちは即決定。
安心できたし、時短になったし、満足でした。
選べることは、多くの場合、
うれしいことだと思うけれど、
どんな場合にもそうだとは言えないわけですね。
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下は、先日の美瑛でワーケーションのときに
プレゼントに持っていった水琴鈴です。
(全員に行き届かなかったんですけど)
このとき、あげたい人に選んでもらうのではなく、
「あなたは、水を使う素敵な仕事をしているから
水色のしずくの鈴をもらってくれたらうれしい」。
「あなたの純粋な心に感動したから
白いハートの鈴を贈らせてほしい」。
そんな風に、私が選んでもらっていただきました。
結果、そのほうが喜んでもらえると感じました。
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さて、商売の世界では、
お客さんに選択してもらうサービスはなくならないと思います。
なので、せっかくの選択の自由を、
選択の不安にさせないためには、
・自分がそれについて
ド素人だったときの気持ちを忘れないこと
・選択の責任を人に押し付けていないか考えること
・選択してもらうなら、丁寧な説明もつけること
・代わりに選んであげたほうが親切なこともある
と理解しておくこと
などが挙げられるでしょうか。
選択が不安やわずらわしさになることなく、
楽しさや自由を感じるものになるといいですよね!
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。