小4まで、サンタクロースはいるって信じていました。
毎年12月25日の朝は、
目覚めると枕元にプレゼントが置かれていて、
寝ぼけまなこでリボンをほどくのが楽しみでした。
小2の時点で、
友達は「お父さんとお母さんに決まってるじゃん」と言っていたけれど、
私は「いるもん」と言い張っていました。
本当はうすうす気づいていたけれど、
もう少しだけ、そう思っていたかったんです。
「サンタは親なんだ」と、はっきり分かったのは、
その小4のときでした。
クリスマスが近いある日、
廊下の隅に置かれた机に、
作りかけの人形が2体あるのを見てしまったからです。
そこは、冬は寒くて家族の誰も寄り付かない場所。
母はこの寒い廊下で、
時間を見つけては密かにプレゼントを作っていてくれたのです。
白い生地に綿をつめた胴体。
作りかけの洋服もありました。
髪の毛はまだついていない、坊主頭の女の子。
「あ! 私と妹のだ」
見てはいけないものを見てしまったと悟り、
知らないふりをして過ごしました。
25日の朝、
きれいな包装紙から出てきたのは、あのお人形でした。
頭には毛糸の長い髪がたくさん生えていて、
その日から妹と一緒に髪を三つ編みにしたり、
洋服を交換したりして遊びました。
私たちがとても気に入ったので、
翌年も姉妹の人形を作ってくれました。
サンタはいないって分かっちゃったけれど、
「こういう方法で知れた私って、
ものすごく幸せなんじゃないかな」。
子ども心にそんなことを思ったものです。
4体のお人形は離れ離れにならないように、
実家のもう使っていないベッドの上で
静かに過ごしています。
Merry Christmas☆.。₀:*゚✲゚*:☆
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした