こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
経営者の方にいいお話をたくさんうかがいました。
・何が傲慢で、何が謙虚なのか。
・どこまでが優しさで、どこからが自己満足になるのか。
・考えることと、考え抜くことの違い。
人生の先輩のお話は、重みとそして大きな温かさがありました。
傲慢と謙虚は、境目に白線が引かれているわけではないから、
誰が見ても「こっち」と「あっち」に分かれる明確さはない。
それでは、何を使って「傲慢」と「謙虚」を分けるかと言ったら、
一人ひとりが持っている「心のものさし」しかない。
心のものさしは、人によって尺度が違うから、
ある人にとっては謙虚に思えることも、
ある人にとっては傲慢に思える。
だから大切なのは、
相手の立場になって考えることだよ、と。
たとえばーー、
相手は明らかに間違っていることをしている。
そして自分はどうすればいいかを分かっている。
そんな場面があります。
それでも自分は正解を教えない。
なぜなら、相手は喜ばないから。
それは押し付けになるから。
だから、
「それをするとどうなるか教えて」
など質問の形を取る。
すると本人がそれについて考えだす。
何回か繰り返していると、
本人が正解を導き出す。
時間はかかるけれど、
そのほうが本人のやる気も出るし、
自立性も高まるし、うまくいくよ、と。
ただ、相手の立場になってしたことが
裏目に出ることもある。
よほど相手よりも年上じゃないと
聞いてもらえない場合もある。
その場合は、
どうしてそうなったかをよく反すうして、
次に役立てさせればいい。
絶対に無駄なことにはならないから。
「考えること」 と 「考え抜くこと」の違いも、
深いお話でした。
「考え抜いた状態というのは、
質問に答え続けられること」
たとえば、
「優しさ」とはどのようなことを言うのか。
どんなケースにはどう優しくし、
どんなケースにはどう厳しくすることが
結局は優しさになるのか。
どこからが「優柔不断」になるのか、
「自己満足」になるのか。
深く、深く、考えて、考えて、考え抜く。
考え抜いて、公表できるくらいに頭の中を整理し、
読んだみんなが
「ああそうか」と理解できる表現になっていること。
ここまでできれば、
一つのことを考え抜いたことになると。
日々起こる一つ一つの現象を、
考え抜く経営者とそうでない人、
どちらの人物に人徳があるのか、
どちらの人物が率いる会社が優秀かは
想像に難くないです。
正直、私はいろいろなことが
よく分かっていないなあ…。
さまざまなことを知れば知るほど、
そう思います。
階段を上るほど、
先が遠いことを知ります。
分かっているようで分かっていない。
たとえば、
「小さな親切」 と 「大きなお世話」の境目は、どこ?
「そっと見守っている」ことと、
「放ったらかし」はどう違う?
どうすればその違いを相手に分かってもらえる?
そもそも分かってもらおうと思うこと自体がおこがましい?
占い師は、自分のことは占えないそうですが、
私も、取材先の事例を客観的に
分析することはできても、
自分の行動を客観視するのは容易ではありません。
考え抜く必要のあるテーマは、なんと多いことかー。
経営ジャーナリストの瀬戸川礼子でした。