「時代を読んだり、
予測したりってみんな考えるんだけど、
不変的なことを考えたほうが売れるし、
お金になるんだよね。
お金になるということを悪く取る必要はなくて、
ものすごく現実的な評価なんだよね」
どんな立場の方の言葉だと思いますか?
先日、NHKの番組に出られていた
作詞家・松本隆さんの言葉です。
かの松田聖子ちゃん(ちゃんと呼びたい)をはじめ、
数えきれないほどヒット曲を生み出し続けている
時代の寵児が言われるのです。
時代が変わっても、
これだけは変わらないという
不変的なことを考え実践する大切さ。
なんとも説得力がありました。
~ ~ ~
私は会社取材をしている立場なので、
先の「不変」を聞いたそばから
「顧客満足」、「社員満足」が浮かびました。
時代に寄らず、いつでも、どこでも、大切なことです。
厳しい経営下になったことで注目されてきたCS、ESですが、
現在も変わらず好調を維持する会社は、
ずっと昔からずっと前から、CSとESを大切にしてきました。
この先、 まさかのバブルが再来しようとも、
だら~っと現状維持が続こうとも、
はたまた不況が加速しようとも、
CSとESの重要性は不変だと思います。
もっと大きな大きな言葉を使うと
これは「愛」なのだと考えています。
~ ~ ~
それにしても、松本隆さんの話(青文字)は、
相当、質の高い経営セミナーのようでした。
「マーケティングは、歌づくりにはほとんど意味がない。
それよりも自分のアンテナを磨いていれば、
どんなに時代が変化しても対応できる。
アンテナを磨くとは、感受性を鋭くしているということ」
では感受性をどうやって鋭くするのかというとーー、
「僕は、年間200本くらい映画を見ていた。
中学生のときは読書好きの友達がいて、
棚の端から端まで、どっちが先に読破するか競争したりした。
好き嫌いを決めないで何でも見たり読んだりするといい。
とにかく脳の中に全部入れちゃう。
しばらくすると、
自分に必要なものと必要じゃないものとに振り分けられる」
「40年やってきたけど、
人は表面は変わっても中身(本質)は変わらないと思う。
だから、年齢に惑わされないほうがいいよ。
中身が大事だし、中身は変わらないから(中略)。
若いということは何のアドバンテージにもならない」
これは、若さを意味のないものとして
捉えているのではなく、
きっと、ただそれだけでは
有利じゃないよということでしょうね。
同様に、こうも言えそうです。
「年を取っているだけじゃ有利にならない」。
そろそろ私はこっちを気を付けないと(笑)。
「僕は人間って好きなのね。
かわいいなと思う。苦心しながらやっててさ」
「アカデミック(学術的)に褒められることなんて
一切、無視していい。
僕が気にしているのは大衆だけ」
ね? 優れた経営者が語ること
同じ本質を突いているのです。
何かで一流になった方は、
どの世界でも通用する哲学があるのですね。
松本隆さんのお話。
それこそ「不変的」なものでした。