こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
「経済が悪い」。毎日のように聞く言葉です。
いままで聞き流していたのですが、
「あれ?」と思いました。
「経済が悪い」とひとことで言っても、
二つの意味合いがあるなと。
一つは、
「頭が痛い」と同じように、
起きている現象を述べている場合。
経済という現象が今現在、
「よくない」と客観視しているパターン。
これは確かにその通りですね。
もう一つは、
「あいつが悪い」と同じように、
苦境を経済のせいにしている場合。
経済を悪者に見立てて、
あれのせいで困っていると言うパターン。
このように、
2パターンの言い方があるように思います。
そしてどうも、後者の「あいつが悪い」
というニュアンスで「経済が悪い」と
言っている人のほうが多いのかな?
という感じを受けています。
まるで「経済」という物体があって、
そいつが悪さをしている、
という感覚で言っている人が
意外と多いのではないかと。。。
でも、それなんか変だぞ、と思うんです。
私のまったく個人的な感覚ですが、
「経済」って、「雰囲気」と、同じじゃないかな。
雰囲気は、それ自体が単体で
「よくなったり」「悪くなったり」することはありません。
人間とか、木々とか、建物とか、そういった形あるものが
作り出す現象が「雰囲気」なのであって、何かによる結果です。
経済も同じだと思います。
経済そのものに意思はありません。
人間が、モノやサービスを作ったり、作らなかったり、
買ったり、買わなかったり、
何かを言ったり、言わなかったり、
そういう言動が作り出す現象を
「経済」って言うんだと思います。
だから「あいつが悪い」と同じ感覚で
「経済が悪い」と言うことはできない。
経済は物体ではなく、結果だからです。
いまこの世の中に生きている
私たち一人一人の思いが結集した結果だから。
経済が悪いのは、
経済が悪さをしているのではなく、
人間がその原因を作り出しているわけで、
経済のせいにはできません。
そこを間違えないようにしなくちゃと、
考えています。