きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

加賀屋の美味しい夕ご飯 ~ESとCS~

 

旅館の女将さん取材もかれこれ20年。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
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取材で訪れた「加賀屋」の夜が始まりました。

 

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夕食は別室の個室でいただきます。
はい、一人です。
 
素敵なテーブルセッティングは、
担当の仲居さんが考えてくださいました。
写真には映っていませんが、
座った視界の右側にもミニキャンドルが
ゆらゆら優しく揺れていて、
とてもリラックスな空間でした。



加賀屋は、ひと部屋に一人、
専属の仲居さんが付いてくれる宿です。
 
お茶出しに始まり、館内の案内、
選べる浴衣(特別室用)の着付け、
朝晩の食事の配膳、
何から何まで面倒をみてくださいます。

 

館内が広いので、
年配のお客さまは迷ってしまうことがあるそうで、
それこそお風呂の往復に付き合って
差し上げるのも普通なのだとか。

 

通常は私、自分でやるから大丈夫ですよ、
というタイプなのですが、
今回は取材なので、
この際、いろいろ甘えさせていただきました。
 
仲居のありささん、
優しい対応を本当にありがとうございました。

 

20年のベテランであるありささんは、
この名前(源氏名)もだんだん年に合わなくなってきて、
常連のお客さまから 「変えたら(笑)」と
からかわれると笑っていらっしゃいましたが、
大丈夫、まだまだいけますよ♪

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途中、厨房からお一人が、
「焼き」の料理のために来て下さいます。
 
この日は、「あわび」と「干くちこ」
干くちこは、スルメの頭のような三角形の干物で、
糸ほどしかないナマコの卵巣を何本も何本も重ね、
陰干ししたものです。
 
生産数の少ない高級珍味なので、
東京にはあまり出回らないそうですが、
噛むと卵の味がじわっと広がって、
忘れえぬ味でした。
 
からすみと少し近いかな。美味でした。
 
調理人の方とのおしゃべりも
楽しいひとときでした。
 
焼きを担当してくださったのは佐藤さん。
ありがとうございました。



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加賀屋には専属の歌劇団 「加賀屋 雪月花 歌劇団」 があり、
専用ステージで毎晩2公演(1時間)が行なわれます。
1人3800円ですが、ネット予約すると1人2900円+ドリンク付きに。
 
大阪の松竹歌劇団が前身なのでもちろんプロの方々ですし、
ステージには写真ような仕掛けが。
照明・音響とも本格的な舞台です。


~  ~  ~

朝食 (の一部)です。夜も朝も地元の食材が大活躍。
2食ともおいしく完食させていただきました。

 

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私、お酒は弱いのですが、
食べ物は何でも好きで (除くこんにゃく)、
おいしいものは底なし。
いくらでも食べれてしまいます。
 
17年間、旅館の取材をしていて、
食べ物を残した記憶がほとんどないのです。
親に感謝でございます。

 

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加賀屋を後にして、和倉温泉駅へ。
旅館を後にする時、
さようならと手を振りながら、いつもじわっとしてしまいます。
 
これは何年、取材をしていても、
どこでも、同じなんですよね。
 
「ご縁をありがとうございます。
どうぞいつまでもお元気で」
そう願うのです。

 

加賀屋では仲居のありささんが長い時間、
一緒にいてくださったのと、
広報の加賀谷(かがたに)さん、
女将さん、若女将さんにもよくしていただき、
やはり、じわ~っときました。



「能登は優しや土までも」
と言われますが、そのとおりの旅でした。



今回、加賀屋に滞在して感じたのは、
29年間、「プロが選ぶ~100選」で1位を得ているのは、
土地に根付いている優しさと、
ここに働き手として集った方々が
団結した上での、地道な「総合力」ではないかと。



立地、規模、付帯施設の豊富さ、
豪華さ、温泉、料理など、
一つひとつで比べれば、互角だったり、
もっと注力した旅館もあると思います。
 
しかし加賀屋は、
総合的にどれをとっても
ぬかりのないレベルに達していて、
つまり徹底した「全方位型」。
これは非常に高度で難しい境地なんですよね。

 

それが可能となるのは、
トップの言動はもちろんのことですが、
一人ひとりのスタッフの力以外にありません。

 

力が如実に表れるのは
スタッフの表情だと私は思っています。
しかも、接客中ではないときの、ふとした表情です。
 
一泊だけでしたが、
お風呂掃除の方も、売店の方も、どなたも、むっとしていたり、
眉間にしわのよっている表情は見られませんでした。
上記に加えなければいけない
「接客」が評価されるのも納得でした。

 

 

ちなみに加賀屋は、
細かい内容の顧客アンケートを行なっており、
これはコンピューター集計できるマークシート方式です。
(おいしかった料理や口に合わなかった料理など、手書き欄もあります)
 
日常業務上でスタッフが肌で感じる面と、
数値面の両方から、
CS・ES向上に励んでいるわけです。

 

100選ランキングについては、
来年も選ばれれば連続30回1位。
スタッフのどなたに聞いても
「自分たちの代で止めることはできない」と
「30回連続」を熱望し、
プレッシャーの中、努力していることを感じました。
 
結果が出るのは来年、2010年1月です。



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和倉温泉駅から電車で約1時間。
次は、羽咋市(はくい)へ向かいました。
 
商工会の年次総会で、
CS&ESのセミナーをさせていただいたのです。

 

羽咋市へ向かう電車の中になんとゴミ箱を発見。
首都圏では、新幹線以外、
ホームにさえ置かれなくなったゴミ箱ですが、
能登には性善説が残っていました。
きっと、そんな意識さえないほどに。



ゴミ箱を見て思い出すのもなんなんですけどーー、
「能登は優しや土までも」
ゴトゴトと揺られながら、再びつぶやいていたのでした。




加賀屋の女将・小田真弓さんもご紹介している本です。

 

全国55人の旅館の女将さんが、4ページずつ顔写真付きで登場。
人生について、おもてなしについて、教育、地域活性について。
普段はあまり語られない心の内を書いています。
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経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

 

 

 『女将さんのこころ その三』旅館の女将さん55人の人生哲学。
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