こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
『旬刊旅行新聞』で連載中のコラム
「女将のこえ」は今年10年目。
「女将のこえ」は今年10年目。
「加賀屋」の女将さん小田真弓さんにお会いするため、
石川県に行ってきました。
加賀屋といえば、連載している旬刊旅行新聞主催のランキング
「プロが選ぶ全国ホテル・旅館100選」で、
29年もの間、連続で総合1位を獲得している宿としても有名です。
(この100選ホームページで賞状を受け取っているのが小田真弓さん)
ホテル・旅館100選は、
全国の旅行会社や専門家に専用用紙を送付し、
投票を集計しているもので、
34回を数えます。
総合のほか、料理、企画など
部門ごとのランキングもしています。
私も投票用紙を送っていただいています。
~ ~ ~
↓ では、加賀屋へのイメージトリップにご一緒しませんか。
能登空港から和倉温泉までは「ふるさとタクシー」で50分。
名前はタクシーですが、乗り合いのマイクロバスです。
宿泊先の旅館の玄関先まで行ってくれて、
1人1300円。大変お得です。
車窓には海や田畑、昔ながらの民家が。
のどかで美しい光景に、見飽きることがありませんでした。
マイクロバスを降りると、
出迎え専門のもてなし番の方々がにこやかに
出迎えてくれました。
出迎え専門という仕事は、
客室担当の仲居さんの労働時間を考慮した仕組みです。
もてなし番がいれば、
早朝から夜遅くまで働く労働時間の長い仲居さんは、
その間、体を休めることができます。
ES(社員満足)対応ですね。
玄関の横に掲げられた「歓迎」のボード。
団体旅行の部分(一部)です。
「あの加賀屋に泊まる」
「名旅館 加賀屋に泊まる」
「憧れの加賀屋に泊まる」
女将さんは恐縮されていましたが、
宿の名前が旅行の冠になっており、
さらに、宿名の前に
「あの」とか「名旅館」とか「憧れの」が付く。
2段の冠です。
能登に行ったついでに
“たまたま”加賀屋に泊まるのではなく、
“わざわざ”加賀屋に泊まるために能登へ行く。
現地でこうした歓迎ボードを間近に見ると、
吸引力の強さを改めて感じます。
ロビーではお琴の生演奏。
広いロビーラウンジで、左奥は海です。
夜は、南米音楽のトリオが
生演奏を聞かせてくれていました。
音楽、とりわけ生演奏は
人の心を豊かにしますよね♪
以前、ある高級リゾートホテルの
総支配人から聞いた話ですが、
美しい生演奏をロビーで披露すると、
驚くほどクレームが激減するそうです。
加賀屋はこのように4つの棟で構成されています。
一番人気があるのは、
最も高い棟の「雪月花」(左から二番目)で、
18~20階(緑の部分)は
「浜離宮」と呼ばれる特別階です。
ここの19階に泊めていただきました。
・19階の特別室はご覧のとおり3部屋あります(左奥は掘りごたつ)。
能登湾が窓の外に広がります。
・意外と手間取る電気のスイッチが、
分かりやすく表示されています。
・栓抜きの定位置は冷蔵庫の前。
ここから栓抜きが移動しているときは、
お客さまにご不便がなかったかを考えるそうです。
おもてなしの心がマッチ箱にも。
吸わない人間が見ても違和感のない、思わずほほえむ絵でした。
チェッインから夕食までの間、お楽しみもさまざまです。
①湾沿いの遊歩道を散歩(写真)
②和倉温泉に点在する七福神めぐり
③加賀屋に隣接する、
パティシェ辻口博啓氏のケーキカフェ&美術館
パティシェ辻口博啓氏のケーキカフェ&美術館
辻口シェフは、和倉温泉の位置する七尾市が地元とのこと。
「和をもって世界を制す。日本を知らずに世界に勝てるか」と、
美術館に掲げられていました。すてきな言葉ですね。
思わず目をつぶってしまうほどおいしいケーキ。自由ヶ丘でも買えます。
④館内で温泉、エステティック、買い物。
・温泉は景色のよい大浴場が2カ所。
オリジナルアロマのシャンプー・リンス・ボディシャンプーがあります。
香りはそれぞれ7種もあり、洗い場に点在しているので、
違う椅子に座るたび、新しい香りを楽しむことができます。
・エステは資生堂のサロン「氣」が入っています。
和をイメージした落ち着いた内装で、メニューも多様です。
・買い物はショップが立ち並ぶ1Fの錦小路で。朝市も行なわれます。
女将の小田真弓さんは、お母さん的存在。
義母の小田孝(たか)さんがそうであったように、
「ありがとう、あなたのお陰よ」
と褒めることを大事にされているそうです。
「明るい笑顔で気働き」を全スタッフのモットーに掲げ、
保育所「カンガルーハウス」の設置や
教育、自分の欲を押しつけないなど、
モットーを快く実践できるための
環境づくりをされていらっしゃいます。
加賀屋の今一番のトピックスは、
来秋オープン予定の「台湾 加賀屋」
現在、10人の台湾人スタッフが加賀屋で研修中ですが、
目上の人を敬い、まじめで、一生懸命なところなど、
見習いたいところがたくさんある、
と女将さんはおっしゃっていました。
日本が世界に誇るものに
「ものづくり」がありますが、
もう一つ同じくらい素晴らしいものが
「おもてなし文化」だと思います。
海外高級ホテルの文化が
どんどん日本に入り、加速しています。
それに対して、
日本のおもてなし文化の輸出は遅かったくらいで、
台湾 加賀屋の存在はとても興味深いものです。
加賀屋滞在は続きます。
続きはまた明日ね。
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加賀屋の女将・小田真弓さんご登場。
『おもてなしの原点 女将さんのこころ』 (赤い表紙)
全国55人の旅館の女将さんを、4ページずつ顔写真付きで紹介。
人生について、おもてなしについて、教育、地域活性について。
普段はあまり語られない心の内にぜひ触れてください。