きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

バッグ売場にて 2

 

<昨日のあらすじ>

紺色のニット、紺色のペンダント、紺色の時計をした女性客が、

バッグ売り場で 好みの紺色のバッグを手に取りました。

ところが、この女性客がはしごした3店のバッグ売場すべてで、

店員は「色違い」をアピールしてきました。

なぜ、彼らはニーズをくめなかったのでしょう。

 

<今日の結論>

答えはいろいろあると思いますが、

私は「想像力」(のなさ)だと考えました。

 

想像とは、「実際に経験していないことを推し量ること」(広辞苑)ですが、

宇宙や未来を想像するのは人の自由だとしても、

“相手の思いを想像する場合”は、一つ条件があるのではないでしょうか。

 

つまり―、

あなたはこのようですね、それなら私はこうしますね、と

“相手を先に考える” ということです。

 

私はこう思うから、あなたもそうでしょう、と

自分の気持ちを優先して相手の気持ちを考えるのは、

真の想像力とは言えないのではないか、ということです。

 

バッグ売場のケースでいえば、

「色違いがあるから、あなたもそれを見てみるといいですよ」は、

相手の気持ちにおかまいなしの、押し付けになってしまっています。

 

“相手の思いを想像する場合”の理想は、

相手の言動をちゃんと「見て」、

「あなたが気になるのはこれなんですね」と、

まず素直に受け入れることだと思ったのです。

(そしてもちろん「表現」することが大事)

 

相手の好みがいま一つでも、自分としてはまったく関心がなくても、

相手はこれが好きなんだなと、その気持ちを「想像」してあげる。

想像の出発点は自分ではなく相手、これが基本じゃないかなと思います。

相手と一心同体にはなれないけれど、努力するということですね。

 

実はこれに似た話を、講演の最後によくするのですが、

自分に起きたことを基に考えたら、改めて想像力の大切さに気付きました。

 

ここまで考えるとやはり気になるのは、

じゃあ自分はどこまでできているのかー、ですが、

バラツキがある…、気がしております。

 

ところで、3店舗の店員さんに想像力がないかというと、

絶対にあると思うのです。

あの場面では活かせなかったけれど、持っているはずです。

 

では、なぜ活かせなかったのか?

次回はこれを考えてみようと思います。