きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

京都で漆工芸に触れる旅③ 工藝の森へ

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 

先日参加しました、一般社団法人リリースさんと、
一般社団法人パースペクティブさんによるツアー。

・漆の塗師・西村圭功さん(ブログはこちら
・漆の精製・堤淺吉漆店の堤卓也さん(同こちら)に続いて


 今回は京都の京北にある「工藝の森」をご紹介します。

 

この森は、バブル末期にゴルフ場計画があったところです。
一部はそのため更地にされましたが、計画は頓挫。
年月をかけて、森として再生してきた歴史があります。

その後、森のある京北町と京都市が合併したことで、
「合併記念の森」という、
なんとも味気ない命名をされたわけですが(笑)

この地を愛し、運営を担う一般社団法人パースペクティブは
「工藝の森」と呼んでいます。

 

~  ~  ~

 

では一緒に、森を歩きましょう。

 

写真左はパースペクティブの高室幸子さん。

 

「学び、遊びながら、漆などの
ものづくりの材料を育む森づくりに挑戦しています」と高室さん。

 

一緒に森を案内してくれたのは山師で林業家の塔下 守さん。
京北に生まれ育ち、大学では森林生態学を専攻。
日々、森の生態や森の声を観察・探求されています。
奥深いひとことひとことが胸にしみます。

 

↑ 伸び縮みする紅白のポールは長さを測るためのもの。
 1色は20cm。

 

区画にきれいに伸びた杉は、人間が植えたものです。

太陽の光や風は平等にあっても、
人間が欲張ってたくさん植えるとどうなる?

 

しいたけ発見!

おお!しいたけが出来てるぞ。
すぐに撮ろう(採ろう)としないで
まず周りを見るんだよ。

 

熊の爪跡。

爪跡を見れば、熊がどういう恰好で登り、
果実を得られたか、得られなかったかが想像できる。

 

工藝の森には、このような穴がいくつかあります。
こちらは、土の歴史や水の流れを確かめるために掘った穴だそうです。
年月をかけて土の層が変化していることを説明してくれている光景。

 

 

枝が裸なのは、鹿がくわえたからだろう、と塔下さん。

頭より高い実はどうしたって食べられない。
食べるためには、一頭が枝の下のほうをくわえて位置を下げ、
もう一頭に食べさせるしかない。

親が子に食べさせたのかもね。見てないけど。

 


「葉っぱを見てごらん」というと、
 みんな上を見るだろ?
 下を見るんだよ。落ちてるんだから。

 

 

植樹された漆の木

 

塔下さんの案内を通して森を感じると、

自分では気づけなかった視座が生まれます。

 

観察と、仮設と、検証と、実験と。

何十年もこれを繰り返してきた塔下さんは、

「こんな見方もあるんだと思ってくれたらいい」と。 

 

この森歩き、人が集うチームや会社にとっても、

はっとする視点をもらたしてくれて、

複数で参加するととても有益ではないかと思います。

 

~  ~  ~

 

森を後にして、パースペクティブの本拠地へ移動。

雷来軒の素敵なケータリング料理をいただき、

 

工藝の森で採ったしいたけを焼いて、
豊かな森の一日でした。ランチもしいたけも最高。

 

~  ~  ~

 

で、一つ、私には宿題が残りました。

これは役目を終えて伐採された漆の木です。

 

日頃から植物を擬人化してとらえる私は、
痛かったね…、と強く同情してしまうのでした。
その気持ちを人に話したことで、
私は初めて、自分がエンパス体質だったとわかり、
長年の疑問が晴れた面が多々ありました。


漆を大切にする素敵な方々との出会いと、
私の体質として植物に感情移入してしまう点と、
そもそも生きている限り、何かの命をいただくのだ、
という事実と。


旅の終わりが宿題のはじまり。
楽しかった!だけで終わらない旅のほうが
豊かなのだと私は思います。


貴重な機会をくれた、
出会ったすべての方々と自然に感謝です!

 

工藝の森の大きなもみの木。
抱きつかせてもらいました。



「いい会社」のよきリーダーが大切にしている7つのこと - 瀬戸川 礼子