2018.2.14
今日は食事の席で、興味深い話を伺いました。
アウシュビッツから生還した方々の中には、
想像を絶するおぞましい体験を強いられたにもかかわらず、
健康的に長生きした女性たちが3割もいたそうです。
そこに関心を抱いた
アーロン・アントノフスキーという学者が、
そのグループに共通することを調べたのでした。
それは、
①有意味感(どんなことも無意味なものとせず、意味を見いだす力)
②全体把握感(何が起きているかを把握し、未来を見通す力)
③処理可能感(何とかなる、と思える力)
これら、心理的ストレスに対応できる3つの能力を
「SOC」(sense of coherence=首尾一貫感覚)
と名付けて提唱したそうです。
どれも言葉が難しくてあまり浸透していない気がするけれど、
検索したらいろいろ出てきました。
私なりに簡単に解釈すると、
①有意味感 :「私がやっているこれにはこういう意味がある」と思えて、
②全体把握感 :「今こういうことが起きていていると私は理解できている」と思え、
③処理可能感 :「私はこれを乗り越えられる」と思える。
人にこうなんだよ、と言われて頭で考えるのではなく、
自分の中で①②③のように「思える」ことがきっと大事。
アウシュビッツでそんな風に思えること、
あるいは、そう思おうと努力できることに、
ただただ感服するばかりです。
たとえ無慈悲に虐げられた状況でも、
あくまでも人生の主人公は自分であり、
犠牲者でありながらも犠牲者の立場におぼれない。
そんな強い意志を感じます。
状況そのものは変えられないとしても、
それをどう捉えるかは、自分だけの自由なのです。
先人から学ぶことは多いです。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。