きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

祈りの島で


東北・関東大震災で被災されたみなさま、 関係者のみなさま、そして傷ついたその土地にも、 心からお悔みと、お見舞いを申し上げます。
せめて、寒さと空腹が改善されますよう祈ってやみません。


地震の翌日から昨日まで、沖縄へ行っていました。 予定の飛行機は欠航でしたが、 奇跡的に、何事もなく行って帰ることができました。

一夜明けて出発の朝、テレビの画面に唖然としながら思いました。 こんなときに沖縄へ行っていいのだろうか…、 でも、4日間をじっと過ごしても誰かが喜んでくれることではないのです。
行ったほうがいい。 行こう、と思いました。

那覇からセスナで1時間。 360km先の離島「北大東島」へ。 http://vill.kitadaito.okinawa.jp/top_flash.html

島で唯一の小さな浜辺です。 画像














周囲13kmはぐるっと断崖絶壁。船をクレーンで釣り上げます。 画像














4~15歳までの子どもたちが奏でる見事な大東太鼓。 賞も受賞している腕前で、ぞくっと鳥肌が立つほどです。 世界的な和太鼓奏者・林英哲さんが年2回、指導に来てくださるそうです。 画像



















翌日は「北大東 小中学校」の合同卒業式。 学校と村役場のみなさまのご厚意で出席させていただきました。
卒業生は、小学6年生7人、中学3年生7人です。
会場の手拍子をBGMに、在校生が持つ花のアーチをくぐって 卒業生がちょっと照れながら入場します。
卒業証書授与で校長先生は、卒業生一人一人の成長を語ります。 小学校卒業生は一人一人が感謝と抱負をマイクで述べます。
中学校卒業生は「15の春」。 島に高校がないため、 中学卒業は、島を卒業することとイコールなのです。

生まれたときから、15歳で土地を離れること、親元を離れることが 決まっている。そういう子どもたちが日本の各地にいるのです。

卒業式の目玉は、やはり、中学の卒業生たち。 卒業生は一人一人、親や育ての親に向けて長い手紙を読みます。
お父さん、お母さん、いままで育ててくれてありがとう。
お母さん、家事と仕事で疲れているのに、 いつもおいしいご飯をつくってくれてありがとう。おいしかったよ。
すごく反抗してずっと口をきかないことがありました。 話かけてくれても無視していたけど、本当は嬉しかった。
島を出なくちゃいけないけど、 もっと優しくしてあげればよかったと反省しています。
島のみなさん、いままでどうもありがとうございます。
この島を誇りにして、高校に行ってもがんばります。


誰一人、知り合いはいないのに、涙がとめどなく流れて流れて、 バッグに入れるのをためらうほどハンカチが濡れました。
お互いがお互いを思いやる、無償の優しさに触れたから…。
子の幸せを願う“祈り”に包まれたから…。


北大東島は、DNAが懐かしがる島。 何もないけれど、何かある島です。
また折を見て、北大東島での楽しい話をお伝えしたいと思います。 沖縄本島での出来事も、またいずれ。


滞在3日目に、本島でお会いした素敵な方に言われました。 「沖縄だから、来たのね」
あっ。腑に落ちました。 無意識だったけれど、そう。 そうです。沖縄だから来たのです。

「祈り」が日常にある島へ。。。

那覇で、思いがけずお会いできた神人(かみんちゅ)の方、 敬愛する方も、みなさん睡眠時間もろくに取らずに、 被災された方々のためにただただ祈ってくださっていました。
モノやお金と同じくらい、あるいはそれ以上に、 「祈り」が大切だということを教えていただきました。
次の思いで祈ってあげてください、とのことです。
「ごめんなさい」 (とても辛い目に合わせてしまって) 「ありがとう」 (命に替えて大切なことを教えてくださって)

この世の中は、人間の思いによってつくられている。 いまできることは祈ること。

私も祈りを日課にします。 南三陸の女将さん、東北でお世話になったたくさんの方々…。
心を静めながらも沈ませることなく、祈ります。

日本の底力を、信じています。
日本に祈りを。 日本に希望を。