きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

ベテラン銀行マンに聞いた「食べっぷりで融資を決める話」


昨日は今年最後の食事会でした。
その席で面白い話を聞き、
やっぱり来年もいっぱい食べようと決意しました


ある銀行のベテラン融資担当者の話です。

この会社に(この経営者に)融資しようかどうか迷ったとき、
実績や将来性やもちろん会社訪問もするし、話も聞き、
いろいろ吟味しても決断ができないとき、
最終手段があるそうです。

それは、
一緒にご飯を食べに行く。


そこで、

食べっぷりがよければ融資する。

あまり食べなかったら融資しない。



それで思い出した話があります。
ある優秀な経営者から聞いた、
若かりし頃の起業にまつわる話です。

土地を使わせてくださいと、
何度も頼みに行った先で、
よく夕ご飯をごちそうになったそうです。

仕事が終わった夜
土地所有者のご自宅に何度も訪問。
すると、その家の奥さんが、
ご飯をつくってくれる。

いつも腹ペコだったし、
夕ご飯は本当に美味しかったので
お味噌汁もご飯もいつもおかわりして、
何度も何度も、
遠慮なくたらふく食べたそうです。

あんなに食べて体を壊さないかしら、と
奥さんが心配するほど食べた。


その様子を、
地権者であるご主人が気に入ってくれ、
結局、土地を提供してくれたそうです。

これは青梅慶友病院の大塚宣夫理事長のお話。
お金は数年で返し、
現在に至るまで優良病院として知られています。
尊敬する経営者のお一人です。

~  ~  ~

さて、
食べっぷりが人生を救う!という実話ですが、
それはなぜか?


なぜ、「食べっぷりがいい」と
「この人を助けてあげよう」と思ってもらえるのか?



前出の、銀行のベテラン融資担当者によると――、

人間には、生きるための三大欲がある。
食欲 睡眠欲 性欲 がそれである。
中でも食欲は、最も死活問題につながるものだ。

食欲のある人は、やはりバイタリティがある。
食欲のない人は、バイタリティに欠けることが多い。


とりわけ、何かの危機に陥っているとき、
それでも食欲が旺盛な人は、
乗り越える力があるだろうと判断する。


反面、食欲のなくなっている人は、
危機を乗り越える力に欠けるだろうと判断する。



もちろん、
人柄、技術、もろもろ情報を集めるけれど、
それでも決められないときは

最終的な判断として、食べっぷりを見る。
私の場合、それはほぼ間違いなかった。



食べっぷりとは生命力であり底力である と。

 


科学的根拠も医学的根拠もありませんが、
何十年もやってきてその通りだったというのだし、
精神的根拠を感じるというか、
妙に説得力がありました。


私の周りには、
さほど食欲がないけれど根気強い人もいるし、
すごく食べるけれども、
いまいち行動力が…という人もいます(笑)。


でもとにかく、
平常時じゃなくて危機に陥っているときに、
食欲が相当、落ち、その状態が長く続くと、
おのずと士気も落ちていくでしょう。


食欲がないのに元気いっぱいの人なんていないですから。


また、助けてあげる側の気持ちになれば、
あまりに意気消沈している人に大きな額を差し出すのは
怖いだろうな、とも思います。


食べっぷり基準。


これからの新たな指標になる!

ことはないでしょうが(笑)


頭の片隅に置いておこうと思ったのでした(o^^o)


雑談で面白い話をたくさん聞きます。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

 



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