きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「自分らしさ」って何だろう?

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 


「~らしくない」。
ギャップが魅力になることって多いですよね。

先日、ご紹介した巣鴨信用金庫はまさにそうでした。

この取材にヒントを得て、

そもそも(人の)「 ~らしさ」って何だろうと、考え始めました。


世の中には、

「自分探しの旅」をしている人がいます。

言い方を変えると「自分らしさ」を

見出す旅なのだろうと思います。


自分は自分と24時間いつも一緒にいるのに、

「自分らしさ」が分からなくなるーー。

自分が分かっている人なんて

本当はいないのかもしれないけれど、

「分からない」という思いが

強くなり過ぎると精神的に辛いですよね。

 


「自分らしさ」って何なんだろう。


これを考える場合、

①本人から見たとき

②他人から見られたとき  と2つの視点があって、


①本人から見たときは、
「自身が違和感なく、心地良く受け止められるもの」


②他人から見られたときは、
「イメージされた通りのもの」
「従来から一般的にそう思われてきたもの」などが
「~らしい」ということになるんじゃないかと思います。


①はちょっと置いといて、
②の「他人から見られたとき」で考えてみます。

見るからに、力持ちそうな男の人は、男らしい。
見るからに、か弱そうな女の人は、女らしい。

良くも悪くも、まあ、一般的にそうでしょう。

ここに、ポジティブな「らしくない」ものを加えてみます。

見るからに力持ちそうな男らしい男だけど、    
 実は、ピアノ(しかもショパン)が驚くほど上手い。

見るからにか弱そうで女らしい女だけど、    
 実は、電気系統にめっぽう強い。

らしくないことで、魅力が増します。

 


さらに「らしくない」感じになっていただきます。


見るからに力持ちそうな男らしい男だけど、  
 実は、ピアノ(しかもショパン)が驚くほど上手く、  
 しかも、ものすごく情に熱くて涙もろい。


見るからにか弱そうで女らしい女だけど、  
  実は、電気系統にめっぽう強くて、  
  しかも、懐の大きなリーダー格で、アネゴ肌。

「らしくない」ことを足したら
さらに魅力的になってきました。


では最後に、
「らしく」なっていただきましょう。

 

見るからに力持ちそうな男らしい男だけど、  
 実は、ピアノ(しかもショパン)が驚くほど上手く、  
 しかも、ものすごく情に熱くて涙もろい。

 そして、2人の子どもを両腕にぶら下げて  
 人間ブランコ遊びをしてあげるような
 楽しいお父さんでもある。


見るからにか弱そうで女らしい女だけど、  
  実は、電気系統にめっぽう強くて、  
  しかも、懐の大きなリーダー格で、アネゴ肌。

 そして、惣菜からお菓子まで料理が得意な
 エプロン姿の似合う女性でもある。


架空とはいえ、魅力的な方々になりました。

「らしさ」×「らしくない」。

これらがうまく組み合わさると、

他人から見られた時の魅力は倍、倍で

膨らんでいきますね。


ここまでは分かりやすいし楽しい。


でももっとたくさん考えていくとーー、

「らしい」と「らしくない」の
境目が分からないものが出てきます。


好きな映画のジャンルは、
どれが「らしい」のか。
仕事の内容は、
どれが「らしい」のか。


突き詰めると、
「らしさって何?」ということに
なっていくはずです。


誰が「らしい」と判断するのか、
ということにもなっていきます。


思うに、
②他人から見られるとき、
人は人から「らしさ」を押し付けられて
判断されますが、
実は人間は、「らしくない」
ものでできているのではないでしょうか。

 


ピアノの上手い男性は、

世間から見ると「らしくない」けれど、

本人からみたら 「らしい」のです。

だって、長い間、自分で練習を積んできているんですから。

 


電気系統にめっぽう強い女性は、

世間から見ると「らしくない」けれど、

本人からみたら 「らしい」のです。

だって、長い間、いろいろなものを

楽しみながら直してきたんですから。

 


つまり、 何をしていても、

それはその人「らしさ」なのではないでしょうか。


自分らしさ、本当の自分って、

「いま、ここ」 にある自分ではないでしょうか。


いま、ここにある自分は、目まぐるしく変わります。
世界中に中継されてもダイジョウブな自分のときもあれば、

とても人様に見せられないザンネンな自分のときもあります。


でも、その瞬間、瞬間が、

一番「自分らしい」んじゃないかと。
自分らしさとは、何か決定的に

「これ」というものがあるのではなく、

それこそ「諸行無常」。

一つに留まり続けることはないのではないかと。

 


昔、歌謡大賞かなんかでありましたよね。

受賞者を読みあげる前に、

ドコドコドコ♪というドラム音の中、

色とりどりのスポットライトが、

あっちへ行ったり、こっちへ行ったり

ぐるぐると動いていた光景。


あの、ドコドコ、ぐるぐるが、

ずーっと続いているのが

生きているということじゃないかと。



「○○さんらしいね」と言ってもらって、

相手に安心してもらうことは

信頼関係を育む上でも大切ですが、


その一方で、

決められた自分らしさはないのだということ、

いまこの瞬間、

瞬間のすべてが自分らしいのだということ、


いまを拠点に高く成長するのも自分なら、

いまのレベルに留まって

ゆらゆら揺れ続けるのも自分なのです。


そのどちらも、すべてが自分らしさなのだ。

 

そんな思いを持つことが、

自分を知ることになるのではないか、

と考えたりした夜でした。


経営ジャーナリストの瀬戸川礼子でした。

 

 
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