きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

幸福について考えました その2


幸福(とお金)について考える2回目です。

「お金=幸福」と考える人が増えているようですが、

それは気のせい、ということがデータにも表れています。


前回1回目のブログはこちら →https://reikosetogawa.seesaa.net/article/201004article_3.html


日本の「生活満足度および1人当たり実質GDPの推移」です。

経済的な豊かさは上向きなのに、

生活満足度は下がっています。

お金と幸せは比例しないことが、

分かりやすいほど分かります。

 

画像
















世界79カ国を対象にした、

「1人当たりGDPと幸福度」の調査でも

似た傾向が見られます。

左の縦軸は「幸福度」。

上に行くほど幸福度が高まります。

下の横軸は「1人当たりGDP」。

右に行くほど経済的に豊かです。 画像

















上の図を見ていきますね。

■日本は、ぐーんとGDPが高い。

でも幸福度は中のちょっと上くらい。


目を引くのは、幸福度が一番上(3.6)にある国です。

幸せナンバーワンのこの国は、

左軸にぴったりくっついているわけで、

つまり、なんと、

1人当たりGDPは、ほぼゼロ!わお♪
面白い結果ですよね。

以上の図は、『国民生活白書』で詳しく見られます。 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/10_pdf/01_honpen/pdf/08sh_0103_01.pdf



お金ってないよりあったほうがいいと思います。

お金が余分にあれば、心に余裕ができます。

会いたい人とレストランで食事ができます。

旅行に行って心を開放することもできます。

大切な人に贈り物ができます。

寄付もできます。

いい物も買えます。

こうした一つひとつもささやかな幸せです。


これらのほとんどは、

お金がなくたってできるんでしょうけれども、

気持ちが違います。

 

私は決してお金を否定しないし、大事に思います。

10万円の仕事と100万円の仕事。

後者のほうが、そりゃうれしい

と思う俗っぽい人間です(笑)。


でも、お金の量を、

質と勘違いするのは危ないなとも考えています。

100万円の仕事は、量は断然、上ですが、

10万円の仕事と比べて、出会いとか、

喜んでもらえた度合いとか、 感動とか、成長など、

幸せ度はどちらが上とは言えません。


人の心をお金では買えないように、

人の幸せはお金だけでは生まれないんですね。



幸せを感じる心は、

一人ひとりの個人にゆだねられる、

とっても感覚的なもの。

そのときの気分であり、実にテキトーなもの。



幸せナンバーワンの国が、

1人当たりGDPがほぼゼロであったように、
(前回も書きましたが)幸せだと思った人が幸せ。


さらに付け加えるならば、

幸せに思う心は、ゆらゆら常に動き、一定しない、

きまぐれなものだから、

たとえ勘違いだとしても、

幸せだと長く思い続けた人ほど、幸せ。

ようするに、“思ったもん勝ち” みたいです。 

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

 


旅館の女将さん55人の人生哲学。
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