きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

幸福について考えました その③

 

幸福について、好奇心でいろいろ調査結果を見ているのですが、

深く考えていくほど、なぜか幸せな気分から遠のく気が…(笑)。

 

幸せって何だろうとか、人と比べて自分はどうなのか、

なんて頭で考えると、たぶん、ろくなことにならないのですね。

 

村上和雄さんの著書のように『アホは神の望み』。

お利口さんにならないで、アホになって「なんかしあわせ~」

とか笑っているほうが、きっと幸せなのです。

 

仕事柄、じっくり考えるのも必要なのですが、

ブログ上の「幸福について」はとりあえず最終回でございます。

 

 

今回はまずこのデータ。

 

先進24カ国で、15歳の子に調査した結果です。

■「自分は孤独であるかどうか」

 

日本  29.8(%) …残念ながら断トツ1位です。

カナダ  7.6

フランス 6.4

ドイツ   6.2

イタリア 6.0

英国   5.4

 

経済的に恵まれている日本の子どもはこんなに孤独です。

抱きしめてくれる人がそばにいないのかな…。

気になる数字です。

このくらいの年の子が周りにはいませんが、

自分には何ができるだろうか、と思います。

 

 

それと、暗いデータが続いてごめんなさい。

自殺者のデータも取り挙げます。

 

日本は98年から12年連続で、毎年3万人超が自殺しているのは

承知の事実ですよね。もう驚かなくなっていることに気づきます。

 

98年 3万2863人

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09年 3万2753人

 

でも、3万人超という数字には麻痺していても、

「12年間で合計36万人超」

09年データで「毎日89人超」、「1時間ごとに3.7人超」と、

見方を変えると、改めてショックを受けます。

 

自殺未遂者は自殺者の10倍いるそうですし、

その家族まで入れると、相当な数の人々が苦しんでいます。

 

 

ところで、「国民の幸福度」という調査があります。

2006年にイギリス・レスター大学の教授が178カ国を調査した結果、

1位はデンマーク、次いでスイス、オーストリア、アイスランド、バハマ。

日本は90位でした。真ん中当たり。思ったより相当、低いです。

 

 

2年後の2008年に、今度は米国ミシガン大学の教授が

世界97カ国を調査したら、やはりデンマークが1位になりました。

日本は43位。またもや真ん中あたりに留まりました。

 

 

幸せは、果たして数字で測れるのか、という疑問もありますが、

別々の教授による調査でデンマークが2回とも1位になっていること、

日本は2回とも真ん中に位置していること、

これらの結果を見ると、そこそこの信用度はありそうです。

 

 

“幸せは思ったもん勝ち”と前回書きました。

すると日本は、“思わないもん”が、多いことになります。

 

 

経済力があり、ものづくりに長け、おもいやりの精神があり、

想いを察するという想像力に優れ、相手を優先する文化がある。

戦争がない、治安がいい、食べ物もある、しかもおいしい。

言論は自由、職業も自由、結婚も自由、海外渡航も自由、

太陽に恵まれ、四季にも恵まれ、海も山も川もある。

これ、世界すべての国がこうじゃありません。

日本は奇跡的に恵まれていると思います。

 

 

でも、私たち日本人は、

あんまり幸せに思わないようにね、とか、

人生は苦労だらけだと覚悟しなさいとか、

恨みつらみが人生の底力だと思わされたり、

辛い目に合わないと幸せになれないよとか、

そう思うように子どものころから訓練されている…、

そんな一面もあるのではないかと感じるのです。

 

不幸だ、孤独だと言う人を非難しているんじゃないですよ。

ただ、思考回路がマイナスに行きやすい性格が日本全体に

あるんじゃないかと思う、ということです。

 

 

同じ社会で育った私にもそういう思考が埋め込まれていますが、

「明るいほうを見る力」をもっともっと高めていきたいものです。

物事を心配しすぎたり、起きてもないことを憂いたりすると、

それを逆に引き寄せちゃうそうですしね。

 

 

これは実に重い問題で、結論は出せませんけれども、

とりあえず自分にできることはーー、

自分は果たして幸せだろうか、なんてできれば考えずに、

目の前のことを笑顔で楽しんでやること、

目の前の人に親切にすること、

そして、そうした行動が他の誰も不幸にしないものであること。

こうしたことを「なんか幸せ~」と思っていればいいことがある、

そうならいいな、なんて思います

 

 

Good Luck

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

 


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