きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「お前に任せるからな」 兄弟喧嘩をしていたお兄ちゃんの取った行動は?

 

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

こんな話を聞きました。

新幹線のホームでのこと、

小さな男の子の兄弟がチョコレートを巡って、

取っ組み合いの喧嘩をしていたそうです。

 

するとお父さんが、そばにやってきました。

 

お父さんは何をしたか。

 

お兄ちゃんのほうを少し離れた所に呼び出して、

こう言ったそうです。

 

「お前に任せるからな」

 

言われたお兄ちゃんは、

その時点で手にしていた板チョコをじっと見て、

それから、半分に割りました。

 

ところが、片方が大きく、

片方は小さくなってしまいました。

 

お兄ちゃんはまたチョコをじっと見ました。

 

そして、大きいほうを弟に差し出しました。

 

 

一部始終を見守っていたお父さんは、

お兄ちゃんを抱き寄せて、

「えらかったな」と頭をなでました。

 

お兄ちゃんは、わーんと泣きました。

 

 

先日、取材にうかがった美容室オオクシ(千葉・稲毛)の

大串哲史社長が、新幹線のホームでご覧になった光景です。

オオクシHP→http://www.ohkushi.co.jp/

 

㈱オオクシは 「ハイ・サービス日本300選」の受賞企業で、

http://www.service-js.jp/hs/show_page.php?id=220

美容室運営における業務システム管理が特に注目されているのですが、

私の目はどうしても社員満足にいくのです。

 

実際、ロング・インタビューを

させていただいた分かったのは、

社員満足のための取り組みが素晴らしいのです。

 

たとえば、『フィロソフィー』(哲学)の存在。

門外不出なので詳しくご紹介できませんが、

仕事というよりも生き方の指針が、

大串さん自らの言葉で、丁寧に丁寧に

上下巻で語られているのです。

 

文章にまとめられるということは、

その何倍も何倍も、後ろに思いがあるということ。

並大抵のことではできません。

 

 

大串さんは

「コミュニケーション」という言葉は用いず、

「信頼関係」という言葉そのもの、

また、そのあり方を大切になさいます。

「教育も、そのために行なう朝礼・夕礼も、信頼関係をつくるため」と。

 

 

その大串さんがご覧になった兄弟と父親の光景は、

まさに信頼関係によって成り立っていたと思います。

 

お父さんは、子どもの喧嘩を、

「親という権力」で阻止しませんでした。

その代り、お兄ちゃんを信頼して

「お前に任せるからな」と言いました。

 

信頼されたお兄ちゃんは、

その思いにちょっと戸惑いつつも、

きっと誇らしかったのではないでしょうか。

だから、自らの考えによって、

正しいと思う行動を取りました。

お父さんからの信頼が、彼の心を強くさせたのだと思います。

 

その行動を言葉と態度で褒めてくれたお父さんのことを、

お兄ちゃんは信頼するでしょう。

 

弟は、大きい方をくれたお兄ちゃんのことを信頼するでしょう。

そして今度、友達同士で同じような場面になったとき、

弟はお兄ちゃんの行動をマネするのではないでしょうか。

 

「信頼」という絆について、考える機会となりました。

 

 
『顧客満足の失敗学』倒産企業の学ぶ5つの要素 
「顧客満足」の失敗学 社員満足がCSを実現する! - 瀬戸川 礼子