こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
四国管財のお客様係&お客様サービス部マネージャー、
荒川美千代さんの講演を拝聴しました。
主催はブロックス社。
CS&ESの高い成功企業の「社員から学ぶ」という切り口の
「人間力・仕事力向上セミナー」です。
豊かなユーモアがある荒川さんのお話は楽しくも深い。
タイトルにもある、とても大きな気付きがありました。
「四国管財」は、
高知市南はりまや町にあるビルメンテナンスの会社です。
この不況でも業績は下がりません。
主力の掃除のほかに、
ビル掃除の仕事を通じて
得意先からサポートを頼まれた仕事が好調なのです。
たとえば、もともと掃除業務だけで入った病院から、
御社なら安心ということで、
現在では病院の受付・売店業務・洗濯・託児所などを
手掛けているのです。
信頼の先に、仕事の増加がある。
理想的だと思いませんか。 http://www.shikokukanzai.co.jp/
このセミナーで司会の方は、
四国管財には「思いやり+知恵」があると。
何かをやろうと思った時、
思いやりはもちろん前提にあるけれども、
それだけでは押しつけになったり、
全員を巻き込めないことがある。
「知恵」を加えることが必要なのだと。
一つ、例を挙げますね。
荒川さんは、中澤社長の誕生日に
「何かサプライズを」と考えました。
(社員にそう思ってもらえるということは、
社長の人徳とも言えますね)
そして、社長の似顔絵をプリントした
Tシャツを思いつきました。
この「思いやり」だけでも十分に素敵なのですが、
「そこまでするの」という「知恵」が次々出されます。
知恵①
1枚だけプレゼント用に作るのでは面白くない。
みんなが一緒に着てこそ面白い、ということで、
何枚も社長の似顔絵Tシャツを手作りする。
知恵②
誕生日当日。
中澤社長の出社時間を見計らって、
その時間に本社にいる全員が
似顔絵Tシャツを着て待機。
~~想像してみてください。
自分の似顔絵Tシャツを着たみんなが
笑顔で迎えてくれる光景を~~
本社のドアを開けた中澤社長は
「なんやこれ~!」
とびっくり。
みんなで大笑いです。
知恵③
さらに面白く、さらに驚かそうということで、
外から帰ってくる社員にも
サプライズを仕込んでおきます。
同じ似顔絵Tシャツを着用して、
「ただいまー」と、さりげなく帰社。
またまた、「なんや~(笑)」
知恵④
サプライズの仕込みにはこんなこともありました。
このTシャツを着るのを恥ずかしがりそうな方への配慮です。
ほかのみんなが着てくれる約束を取り付けた後、
「みんなも一緒に着るので、
もしもよかったら、どうですか」。
シャイな方も「着てもいいかな」
と思いやすく配慮したんです。
結果的に、「ならいいですよ」 と快諾してくれたそうです。
「何かしてあげたい」という「思いやり」に「知恵」が加われば、
もっとうまくいく、ということを教えてくれる好例です。
うっかりすると直球になりがちの私には
最適なヒントになりました。
改めて、辞書で「知恵」を引いてみました。
すると、知恵には「慈悲」という意味もあったのですね。
「慈悲」、、、
なるほど、、、、、
すとんと胸に落ちてきました。
この話をリッツ・カールトンの高野登さんにすると、
下記のようなお返事をいただきました。
「知恵」という言葉は、昔は「智恵」と書いたそうです。
「智」には「日」、つまり「お日様」が入っています。
この『お日様』は、慈悲の原点なのだそうですよ。
もう一度、なるほど、、、、。
誰にもでも平等に、無償で与えられるお日様は、
まさに慈悲そのものです。
四国管財の「あの人に何かしてあげたい」
という思いが生んだ一つの物語から、
深い気づきをいただきました。
ありがとうございました!
と懇親会でスリーショット。
(撮影はブロックスの西川敬一社長です)
中澤さんとお会いするのは4年前の現地取材以来。
思いがけず再会できてうれしかったです。
<今日のおまけ>
「慈悲」も改めて広辞苑で引いてみました。
仏・菩薩(ぼさつ)が
衆生(しゅじょう=命あるもの)
をあわれみ、いつくしむ心。
衆生に楽を与えることを「慈」、
苦を除くことを「悲」という。
*「クレームを増やして顧客満足を上げる!」
ユニークな取り組みで成功している四国管財さんの記事を
「トリ」で掲載させていただいている著書です。 ↓