きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

女将サミット2008   (い)


全国から旅館の女将さんが集まり、さまざまな議題で語り合う
「全国旅館おかみの集い ~女将のための 女将による 女将の会議~」
通称:女将サミットが今年も開かれました。
毎年100~150人の女将さんが全国津々浦々から一堂に会します。


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お約束の、枡酒(ますざけ)で乾杯!


主催は、旅行新聞新社。『旬刊旅行新聞』の発行元です。
私は同紙で、独立以来9年間、「女将のこえ」というコラムを月1で連載中。
全国の女将さんを訪ね、これまでの道のりや、モットーなどをお聞きしています。
連載はもうすぐ100回目。
一番長い連載で、人生勉強にもなる大切な仕事をさせていただいています。

       (ネット上は更新されておりませんが20本くらい掲載されています)

さて、女将サミットは今年19回目(会場は舞浜の東京ベイホテル東急)。
『週刊ホテルレストラン』の新米記者時代から、かれこれ16回、
ほぼ毎年、懇親会に出席していますが、毎年思うのは―、
「さすが華やか」
「さすがの貫禄」

着物の方がほとんどなので、それだけでも美しく華やかですが、
やっぱり生き生きした表情と、内面から出るエネルギーのせいだろうと思います。
そして、もしかすると意外に思われるかもしれませんが、
女将さんはですね、なんというか、男っぽい。
女性を褒めるのに「男っぽい」という表現を使わなくてはならないのは、
女としてはちょいと癪なんですが、でもまあ一番、腑に落ちる言い方です。

~ここで追記(7月3日)~
昨夜、「男っぽい」と書きましたが、訂正します。 「頼もしい」にします。
女性読者の方から、「女を褒めるのに『男っぽい』はやっぱり腑に落ちない」、
「男女を問わず 『頼もしい』を使ってほしい」と直々に連絡がありまして、
ああ、そのとおりだな、と思いました。母でございます。

情報によると以前、どんな人が好きかを調査したアンケートで、
1位が 「頼もしい人」 だったそうです。
また、司馬遼太郎さんも 『二十一世紀に生きる君たちへ』 の中で、
「頼もしい人になりなさい」と書いていらっしゃるそうです。

広辞苑によると、頼もしいとは、
1. 絶対たのみにできるように思われる。
  任せておいて安心である。心強い。
また1以外にも、
2. 期待の持てる状態である。
  楽しい夢を描くことができる。といった意味があります。いい言葉!

女将さんは 「頼もしい」 です。             ~追記おわり~


遠慮や謙遜はするけれど、なよなよしない。
感動して涙はするけれど、めそめそしない。
楽しいときは思いっきり笑い、もじもじしない。
お酒の席でも自分を律して、でれでれしない。
歩くときはすたすた歩いて、ぐずぐずしない。
常に人を気遣うけれど自分が気遣われなくても、うじうじしない。

全員がこう、ではないでしょうし、人ならめそめそだってするでしょうが、
全体として皆さん、さばさばしていらっしゃいます。
定年のない、女将という人生を明るくひたむきに生きる経営者です。
強くて優しい。私の理想像に、大いにヒントをくださる方々です。

女将サミットを初めて取材した16年前。
会場に集った女将さんたちは、全員、母くらい年上の女性に見えました。
責任ある仕事をし続ける人は、はつらつとしていて素敵だなと思いました。
取材が終わって何年も会わなくなっても、ずっと心に残り続ける、
忘れられない女将さんが何人かいます。

そしてここ数年、自分と同世代の女将さんが本当に多くなった気がします。
会話の幅が広がり、悩みを聞いたり、励まし合ったり、褒め殺し合ったり(笑)、
取材を超えた付き合いができたようで、そのことを本当にうれしく思います。

日本旅館は16年前、7万を超える数がありました。
しかし現在は5万4000軒。5万を切るのも遠くないと言われます。
自分の小さな力が、ひとかけらでも役に立てればと思っています。