きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。



私の父は、33歳で会社を興し、
本当に一生懸命に、誠実に働いて
いいお得意さんにも恵まれました。
仕事を家に持ち帰ってくる
大変そうな日もありましたが、
辛そうではなかった。

父も、一緒に働いていた母からも、
仕事やお客さんの愚痴を、
私は聞いたことがありません。

得意先の女性社員さんから
バレンタインのチョコをもらって喜んでいたり(笑)、
こんな仕事も任されているんだよ、という言葉には
やりがいが感じられました。
家は引っ越すたびに大きくなっていきます。
「独立っていいな」
そう私に思わせてくれました。

もし、父が独立をしないで
ずっとサラリーマンのままだったら、
私は経営ジャーナリストとして
独立しようと思えたかどうか分かりません。
独立の成功例が一番身近にいたので、
私にとって独立は怖いものではなく、
当たり前のものになっていました。


コミュニケーションが上手な母とは対象的に、
父は口下手で困ったところもありましたが、
いま思えば安心感を与えてくれていました。

そうそう、小学校の父兄参観日は、
どう控え目に見ても、
すらっと若々しい父が一番かっこよくて、
私はひそかに自慢だったんだよなあ。

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そんな父が旅立って、初七日を迎えました。

一年間の入院生活の間に、
家族に心の準備をさせてくれて、
最後の日は、
母と私におだやかな看取りの時をくれました。

まだ気持ちがふわふわしていますが、
それでも普通に日常を過ごせているのは、
時間をーー、しかもちょうどいい時間をかけて、
ゆっくりと、少しずつ、来たる出来事を
受け止める準備をさせてくれたからだと思います。

~  ~  ~

病院の先生や看護師さん、リハビリ士の方々、
多くの医療関係の方々にも恵まれました。
一人の患者というだけではなく、
一人の人間として看てくれた気がして、
どれだけありがたかったかしれません。

最後の日、主治医の先生が父を見届け、
精一杯、最後の最後まで生きられて
天寿を全うされたと思います
と言ってくださいました。
そして、先生が病室のドアを出られる際、
私たちはもちろん頭を下げましたが、
先生のほうが、もっと深く、長く、
父に頭を下げてくださっていました。
本当にありがとうございました。

取材先の私の尊敬する医師が、
「医療は言葉です」と言われましたが、
今回、まさにそれを実感しました。

~  ~  ~

コロナ前は、出張で全国を飛び回っていたので、
その頃なら、看取ることはできなかったかもしれません。
逆に、コロナだったから、なかなか面会もかなわず、
LINEを使ったオンライン面会が増えました。
でも、最後はそばにいることができて本当によかった。
私は、体はなくなっても魂はなくならないと信じています。
いつか魂同士になってまた会えたときに、
楽しい土産話をたくさん持っていけるよう、
しっかり元気に過ごしていかなくちゃ。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
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