きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

安易に希望的観測を伝えるより、真摯に話を聞くほうが相手の希望になる

 

こんばんは。
今日のタイトルは、
安易に希望的観測を伝えるより、
真摯に話を聞くほうが
相手の希望になる です。

 

 
今日は日曜日ですが、
zoomミーティングがありました。
結論を出すことを優先するんじゃなくて、
「うんうん」「そうだね」と理解し合って
プロセスを大事にする。
そこがよかったなと。

一昨日のブログに書いたようにやっぱり、
「結論よりプロセスが大事」です。
そのほうが結果もついてきます。


コロナ禍によって、
苦悩を「話す側」と「聞く側」両方が
増えているかもしれない今、
希望的観測を伝えるという結果より
真摯に話を聞くというプロセスが
大事だろうなと、思うのです。
~  ~  ~

実はずっと前のこと、
初めて心理カウンセラーに会って
苦悩を「話す側」になったことがあります。

親子問題で悩む知り合いの経営者が
ここに何度も通われていて、
興味津々だった私に勧めてくれました。


ですが、これが最初で最後。
もう二度と行かないって思いました。

話半分で聞いているのが分かったし、
「なぜ〇〇しなかったんですか」と
打ちひしがれている私を責めたんです。
もう十分、私が私を責めているのに。

そして最後に、思ってもいない
安っぽい希望的な観測を言い、
時間になったから、と
私を残して部屋を出ていきました。
ひどくない?(笑)


世界に素晴らしいカウンセラーは
数多(あまた)いらっしゃるとは思いますが、
この人のお陰で、
私は生涯、カウンセリング依存に
なることはないと思います。
ねこパ~ンチ。
~  ~  ~

 

泣き言って、大なり小なり
ほとんどの人はあるんじゃないでしょうか。

 

生まれては消えていくものから、
心のしこりとして残るものまで。
不満とか、不安とか、疑念も含めて
強弱さまざま、何かしらは。



これを独りで解消できるならそれもいいし、
私は失敗しましたが(笑)
誰かに聞いてもらうのもいいですよね。

 

冒頭のような経験をしてつくづく思うのは、
「聞く側」に立った人が
「どう聞くか」が非常に大事だなと。
 

 

話を聞く人(あるいはそういう場)は
太陽ぴかぴかの晴天ではなく、
曇り空で風のない湖みたいに、
静かなほうがいい。

 

「なぜ〇〇しなかったんだ」と、
とがめるなんて論外だし、

 

「希望を与えてやろう」とも
思わないほうがいい。
光を与えるんじゃなくて、
まずは、聞く側も暗闇に目を慣らすといい。
暗闇に一緒に入る必要はないけれど。


そしてもし、確実にいいアイデアがあるなら、
それを伝えるのはその後ですよね。

~  ~  ~
こんな出来事もありました。

ビジネススクールに通っていた私は、
隣のクラスで学んでいた
中国からの留学生と仲良くなり、
よくラウンジでお喋りしました。
才女で、日本語がぺらぺらでした。

そんな彼女のお母さんは長い間、
中国で入退院を繰り返していて、
彼女の留学中に亡くなりました。


一時帰国した彼女が日本に戻って来た日、
私ともう一人の女性は、
教室の片隅でうずくまって泣いている
彼女に寄り添いました。
もう一人の女性は彼女と同じクラスで
企業内カウンセラーを勤めていました。


カウンセラーの同級生は、
「お母さんのためにがんばって」
「これでお母さんは楽になれた」
「あなたも自由になった」と
次々と言葉をかけます。


けれど私は、
彼女の背中に手を置いたまま
黙っていました。


カウンセラーの同級生が
もう言う言葉がなくなって
静かになると、

泣いていた彼女は、
同級生に言われた言葉の一つ一つを
訂正していきました。

「病気のお母さんが死んだから、
私が自由になったとみんな言うけど、
そんな自由よりも、
私はお母さんに生きていてほしかった」

「お母さんのためにがんばるよりも、
お母さんは私のために私の幸せを
考えてくれていた」と。


あのときの私のように、
誰かに言われなくたって、
そんなこと、とっくに考えているんです。


ひとしきり泣いた彼女は、
黙ってそばにいてくれてありがとう
と、後で私に言ってくれました。

思い出すと涙が出る。



素晴らしい回答を持っているなら、
それを伝えるのは親切だと思います。
けれども、
「何か気の利いたことを言わなければ」とか、
「自分の知識に感心させたい」とか
「気まずい空気を何とかしたい」という理由で
安易に希望的観測を伝えても
相手にはそれが伝わってしまうと思います。
それよりは、真摯に話を聞くほうが
相手の希望になる。


実体験から私はそう思っています。

経営ジャーナリスト・講師の瀬戸川礼子でした。

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