9月の下旬のこと、
「世界を変えた書物展」(上野の森美術館)へ行ってきました。
http://www.kanazawa-it.ac.jp/shomotu/introduction.html
金沢工業大学による素晴らしい展示会!
会期はすでに終了しているのですが、
数年前にほかの都市でも開催したらしいので、
またどこかで行われるんじゃないかなと思います。
ニュートン、コペルニクス、ダーウィン、パスカルなど、
いくつもの「世界を変えた本」、
しかも「初版本」が、目の前に!
アインシュタインの自筆メモも。
すべてにおいて内容はさっぱり分かりませんが、
「これらの叡智が人類の認識を一変させたんだ」と
ぞわっとする感動を覚えました。
ガリレオガリレイの初版本『星界の報告』(1610年)
心に残った言葉の一つを紹介します。
ヨハネス・ケプラー著『世界の調和』(1619年刊)。
太陽系の5つの惑星(水星、金星、火星、木星、土星)の
軌道間の距離の比に従い、
諸惑星は調和「音階」を奏でながら運行している。
↑
なんて素敵な…。
宇宙の諸惑星は、
調和=音階を奏でながら運行している、と。
宇宙がそうならば、
宇宙の中に生きる私たち人間も
調和し合う、(美しい)音階を奏で合う、
それが自然な姿なんじゃないでしょうか。
これがその『世界の調和』 初版本です。
世界を変えた書物展、
一回見終わって外に出たけれど、
もう一周してしまいました。
世界に散らばるいくつもの「知」が、
「書物」を媒介役として時空を超えて連携し、
さらなる知へと発展していく過程
に胸が震えたのです。
後で思いました。
世紀の発明ではないんだけれど、
私の本も後世に残ってほしいなあ、と。
さらにこうも思いました。
私を含め、ほとんどの人は
歴史を変えるほどの「知」を持たないけれど、
半径5メートルの人の心に
小さな明かりを灯すことはできる、と。
たとえその相手が子供で、
道ですれ違っただけの縁の薄い人でも、
自分が生き生きと街を歩く姿を見たときに、
「大人って楽しそうだな」、
「大人って自由でよさそうだな」
と、思ってくれるかもしれない。
もう少し大きな高校生が見たら、
自分の生活費を自分で稼ぐ大切さを
なんとなく思ってくれるかもしれない。
働き始めてばかりの人が見たら、
世の中、疲れた大人ばかりじゃないんだなと
ほんの少し安堵してもらえるかもしれない。
とするならば、無名の私たちの働きも、
きっと見えないところで、
時空を超えて影響を与えるはず。
こりゃ責任重大だ。がんばろー
大人で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。