きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

阪神阪急ホテルズがメニューと違う食材を使っていた問題を考える

 

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 

阪神阪急ホテルズがメニューと違う食材を使っていた問題。

先週からずーっとこれについて考えています。

 

 

経営傘下のホテルが行なっていたことに加え、

経営的には親戚(経営は阪神ホテルシステムズ)に当たる

リッツカールトンホテル大阪も…ということが残念です。

 

社員満足と顧客満足の高さに注目していただけに…。

 

スタッフやOB・OGの方々、ファンやお客さまはなおさら残念でしょう。

 

いろいろな思いが交錯します。

 

 

・信頼を築くのは時間がかかるけれど、

  壊すのは一瞬でできてしまうということ。

 

・隅々にまで理念を浸透させ、

 かつ継続させるのは本当に難しいということ。

 

・阪神阪急ホテルズの社長は「従業員の認識不足」と言いました。

 問題の本質はそこではないし、

 このひとことがどれほど働く人の意欲をそぎ、

 どれほど顧客を失望させ、

 どれほど修復の時間を長引かせることか…。

 

 私は、認識不足というよりも、

 そういうことが許されてしまう社風のせいではないかと思ったけれど、

 100歩譲って「従業員の認識不足」だとしても、

 そういう人を採用し、教育をせず、雇い続けたのは経営陣です。

 部下より高い給料には、

 このようなことにも目を向ける努力料が入っているのだし、

 いずれにしても、人のせいにしてはいけなかった、ということ。

 

・「誤表示」という表現はどうなんだろう、ということ。

 

・自分が経営者や社員だったらどういう言動が取れるか、ということ。

 

・今回の件を顧客はどう許してくれるのかということ。

 

・一つの会社の行ないは、想像以上に広く影響をもたらすということ。

 

・リッツに限っていうと、

 クレドや社員満足・顧客満足のための多様な取り組みは良いことで、

 この問題があったからといって役立たなくなるものではない、ということ。

 500年前の哲学者・呂新吾は『呻吟語』でこんな風に言っています。

 

「素晴らしい教えだが、行動が矛盾している人がいた場合、

 だから取るに足らない教えであると拒否するのは思い違いである。

 自分にとって益があるなら、人物の賛否などいっこうにかまわない。

 たとえば、破れた布を着た人が美しい刺繍の着物を売っていたり、

 食うや食わずの人が高価な食器を売っていたとして、

 買った人が果たしてこれを捨てるだろうか?」と。

 

・ほとんどの人はまじめにやっていると思うから

 くじけず、やがて挽回してほしい、ということ。

 私は誰かが息子に言い放った「ばかやろう」じゃなくて、

 「がんばれ!」と言いたい。

 

 

阪神阪急ホテルズの社長が辞任表明をしたり、

ルネッサンスサッポロホテルも「誤表示」が発覚したり、

まだ余波がありそうです。

 

 

どう解決していくのか、失敗から学びたいです。

 

経営ジャーナリストの瀬戸川礼子でした。

「いい会社」のよきリーダーが大切にしている7つのこと - 瀬戸川 礼子