こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
今日のテーマは
【従業員、やめませんか?】です。
退職を勧めているのではありません。
「従業員」という言葉をなくしたいのです。
なぜなら、従業員の従は「服従」の従。
「従」の一文字に次の意味が内包されています。
・ついてゆくこと。したがうこと。
・付随的で中心とはならないもの。
・自分より強大なもの、不動・不変なものの権威や存在を認め、
自分の行動をそれに合わせる意。
・さからわない。言いなりになる。降参する。屈服する。
つまり「従業員」とは、
命ぜられた通りに従って仕事をする者
という意味になるんです。
「従業員」の「従」を
漢和辞典の通りに使う人はいないと思いますが、
この言葉が市民権を得ているのは変なのです。
おかしいと思う理由をざーっと挙げてみますね。
*会社も社会も、
常に、自立性・主体性のある人財を求めているのに、
一方で従業員という言葉を使うのは矛盾している。
*日本は言霊の国であり、
従業員と言われ続けている人の主体性を
知らず知らずに奪っているかもしれない。
*「いい会社」は従業員という言葉をほとんど使っていない。
パートアルバイトも含めて、
同じ仲間だという意識があるためだと思う。
*従業員という言葉は、
正規社員と非正規社員を包括する
便利な言葉として使われているけれど、
「同じ会社で働く一員」という意味で、
みんな「社員」に違いない。
*正規社員だけで成り立っている会社はほとんどないので、
正規社員と非正規社員をひっくるめて社員と呼んでも
別に問題は起こらない。
どうしても分けて表現する必要があるときは
正規、非正規と言えばいい。
*顧客にとって、正規社員と非正規社員は関係ない。
*オーナーの子(後継者)が働いている場合、
若くても従業員と呼ぶ人はまずいない。
このことから、従業員という言葉には、
下々の者という意味があることを、
無意識下で感じている人は多い。
実は、私が書いているビジネス書のうち、
2冊までは従業員という言葉を使っているのですが、
2008年に出した3冊目からは一切、使うのを辞めました。
講演でも、「従業員という言葉はやめよう」と
いろいろなところで言ってきたのですが、
この思い、私は微力で全然、広まりません。
でもやっぱり言いたい。
嫌な言葉です。
「従業員」 やめませんか?
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
YouTube で動画撮りました。