きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

ドキュメンタリー映画『いのちの林檎』

 

ドキュメンタリー映画『いのちの林檎』を観てきました。

http://greenz.jp/2010/10/06/life-with-apple/

主人公は、化学物質過敏症の女性・早苗さん。

 

画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予告編はこちらのyoutubeで。

www.youtube.com

 

 

早苗さんは、重度の化学物質過敏症です。

 

農薬、排気ガス、洗剤、香水、印刷物、ビニール、

プラスチック、低周波などなど、

普通の生活で使われているほとんどのものに対して、

10億分の1の量でも反応してしまいます。

心臓が縮まり呼吸困難になってしまうのです。

 

たとえば家の中にいて、外を歩きタバコの人が歩くと、

撮影しているカメラマンやディレクターは何も感じないのに、

早苗さんはそれだけで卒倒してしまう。。。

 

携帯電話の電磁波もダメ。

食事も無農薬・無添加しか受け付けないので、

自然食品の食材を買って、味噌などほとんど手作りしています。

 

 

化学物質過敏症の患者さんは、

日本に70万人くらいいるそうです。

 

花粉症のように、発症する人と発症しない人がいて、

体内に取り込まれた化学物質が

その人の許容量を超えたときに発症します。

 

一度発症すると、

それ以上、化学物質を身体が受け付けなくなり、

ほんの少しの量でアレルギー症状が出てしまいます。

 

 

この映画に登場する入江さんというご家族も同じ病気の一家で、

息子さんが書いていた文章は衝撃的でした。

 

「僕の体は蚊も刺さない。

僕を刺した蚊は身体に充満している

化学物質に反応して死んでしまうーー」

 

 

ショックを受けました。

化学物質過敏症という病気があることは知っていましたが、

まさかここまでとは…。

 

さて、普通に働いていた早苗さんですが、

新築の家でハウスシック症候群になったことから次々と発症。

 

軽度の化学物質過敏症の母・道子さんの運転する車で、

きれいな空気の吸える土地を求めてさまよいます。

 

途中のドライブインでトイレに行こうとしますが、

芳香剤の臭いで倒れてしまったり、、、

どこに行っても、空気が継続的に吸える場所がありません。

 

車の中で何日も寝泊りして、風に乗ってくる農薬などから

逃げ続けるのです。

 

早苗さんはきれいな方で、

着ている洋服はオーガニック素材のカントリー風。

お似合いだし、ロハスな感じで素敵ですが、

本人はそれどころではないでしょう。

肌も敏感なので、冬でも靴下を履かず、半そでだったりします。

 

 

少しでも空気のきれいな場所を求め、

親子は標高1000mの山にテントを張って暮らしますが、

ここにも風に乗って農薬が流れて来ます。

 

そのたび早苗さんは苦しみ、

気絶してしまうのです。

さっきまで笑って話していた人が、

いま倒れているのです。

 

自分の息にも反応してしまうので

マスクも付けられません。

 

空を飛行機が飛べば、

低周波に刺激されて悶え苦しみます。

 

 

映画を見ている間中、

私はきっと、辛い顔をしていたと思います。

現代の日本に安住の地はあるのか…

と希望が見えないからです。

 

 

そんな毎日でも早苗さんは、

青森の津軽で木村秋則さんが育てている

無農薬・無肥料の「きせきの林檎」をおいしそうに食べ、

感謝している、幸せだと語るのです。

 

こういう人生を送っている人が、

同じ時代、同じ日本にいるんですよね。

 

 

洗剤や化粧品やプラスチック製品が普通に使えたり、

排気ガスやタバコが空気に乗って流れてきても倒れなかったり、

印刷物も触れるし、読める。

どこへでも好きな場所に自由に行ける私は恵まれています。

 

 

私にできることは、

そういう病気がある事実を伝えるくらいで

大したことは何もできないけれど、

いまこの瞬間、早苗さんと母の道子さんが

穏やかに過ごされていることを祈ります。。。

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。