きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「そんなに心配しなさんな。いつか笑い話になる時が来るよ」


書類の整理をしていたら、

『朝日新聞』の切り抜きが出てきました。

主婦の高橋江里子さんが読者投稿された記事です。


「笑い話になる時」             

(2008・2・6 ひととき欄より。

カッコ内は原文)

第3子で特望の長男が、

3歳で自閉症と診断されたところから 話は始まります。

ご夫婦はワラにもすがる思いで、

全財産を投げ出して療育に 走り回りますが、

どこへ行ってもさじを投げられてしまいます。

でも、たった一人、母親だけは言ってくれたそうです。

 


「そんなに心配しなさんな。

いつか笑い話になる時が来るよ」


施設に頼るのを辞め、

主婦は自ら先生になります。

 

言葉を覚えるために絵カードをつくったり、

歌を歌ったり手遊びをしながら、

毎日、声を出す練習を続けました。


「夜遅く、そっとお皿を洗った」

3人のお子さんを育てながらです。

どれほどの忙しさ。どれほどの忍耐力。。。

何年たったでしょう。

息子さんは少しずつ言葉を喋るようになっていきます。

 

ところが入れ替わるように、

励ましてくれた母が闘病の末、帰らぬ人に。


しかしやがて、

母が言ってくれた言葉は現実のものになるのです。


「21歳になった息子は、

今、ごく普通に話せるようになり、  

社会人として働いている」


小さな紙面の中に、

あらゆる感情が行き交うドラマがありました。

奇跡を呼んだのは

親子のひたむきな努力だと思いますが、

 

やってみようという思いを呼び起したのは、

この魔法の言葉だったのではないでしょうか。


「そんなに心配しなさんな。

いつか笑い話になる時が来るよ」


ものごとの当事者は、

目の前のことしか見えなくなりがちですよね。。。

でも、そこにどこか達観した目線が入ってくると、

心に少し、余裕が生まれる気がするのです。


チャップリンもうまい言葉をのこしてくれています。

「悲劇とは、クローズアップで撮った人生  

喜劇とは、ロングショットで撮った人生」

 

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。


旅館の女将さん55人の人生哲学。
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