きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

小さすぎて見えない文字に思う、仕事と社会の話

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

今日のテーマはこちらです。
「小さすぎて見えない文字に思う、仕事と社会の話」

先日、これが貼られた注文品が届きました。

100円玉の大きさと比較すると
分かってもらえると思うのですが、

届け先の住所と名前がものすご~く小さい。
文字の大きさのことをポイントって言うんですけど
これは一体、何ポイントだろう?

名刺に書かれたメールアドレス並みというか
それよりもたぶん小さいのです。

 

で、配達員さんは年配の男性で、
老眼が普通に進んでいると見えて、
メガネを外しても文字がはっきり見えなさそう。

届け出先までは何とかたどり着いたけれど、
しっかり目視できないから
「よく見えないんですよ。こういうのほんと困っちゃって。
 すみませんけど、確認していただけますか」と言われました。

私はですね、まだ、ぎり、見えるんです。ええ(笑)
でも、この大きさはないなと思い、
「あ~、これは見えにくいですね~」と共感しました。

 

~  ~  ~

 

そのあと、3つのことを考えました。

まず、仕事って、社会の中で必ず誰かとつながっているから、
「この仕事の先に困る人がいないか?」
を考える必要があるな、ということです。

このプリントを作った人は、
全国至るところで困っている人がいることを
想像もしていないのではないでしょうか?

 

2つ目は、しかし「作った人」はこの事態を
想像しずらいんじゃないか、ということです。
つまり、どんなに小さな文字でも楽に読める若者が
こういう仕事を頼まれる確率が高いとすると、
老眼の感覚はとても想像できないでしょう。
誰かが「これじゃ不便だよ」と教えてあげないと
配慮のないものが普及してしまいます。

 

3つ目は、生産性についてです。
日本は先進国の中でも生産性の低さ(特にサービス業)
で知られていますが、こういうことも生産性を下げる要因です。
パッと見てわかれば1秒で済むものを
10秒見つめなければわからなかったり、
誰かを確認に巻き込んだら何倍ものロスが生まれます。
配達員さんだけではなく、荷物を受ける窓口の人など
範囲は結構、広いと思います。

 

~    ~    ~

 

日本は、高齢化社会をとうに過ぎて、
高齢社会も過ぎて、
すでに超高齢社会になっています。

※ 総人口に占める65歳以上の人口が
7% 超えで「高齢化社会」
14% 超えで「高齢社会」
21% 超えで「超高齢社会」← ココ


インドのような若い社会ならスルーされるようなことが、
超高齢社会の日本では困る人を増やしているという現実。

こういうことが全国で日々発生しているはずで、
少しずつ生産性を下げているんだけれど、
それぞれの場面は表出化されないから放っておかれるーー。

どうしたものか…。

小さすぎて見えない文字から
そんなことを思ったのでした。

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
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