ある公共の建物に入ったら
「反省会」の案内がありました。
あら~、何をやらかした?
と近づいてみると、
住民の作品展(手芸や絵など)の反省会でした。
趣味を楽しみ、人に見てもらう展示会が終了し、
反省会をしようというわけです。
にしては、
ネーミングが……重い (笑)。
それなら、うーん、
自分ならどんなネーミングにしよう?
部外者ながら、ずっと考えてます。
~ ~ ~
と、上記のような内容をTwitterにあげたら、
フォロワーさんがコメントをくれました。
「打ち上げ」って言いづらいときに、
反省会って使いますね。
名前に反して1ミリも反省はしませんがw
おお!なるほど!
「反省会」というネーミングは
カムフラージュだったわけですか!
コメントをくれたフォロワーさんと、
先の「反省会」のメンバーは
異なる方々ですが、意図は同じと感じました。
ここからは私の想像ですが、
案内板の反省会に出席する層は、
60代~80代の女性です。
実は前に一度、ふらっと展示会を
見たことがあるから年齢層は想像つきます。
で、子育ては終わっているとしても、
家族(リタイアした夫など)が
喜んで「いってらっしゃい」を
言ってくれるとは限りません。
または介護があったりして、
外出しずらい方もいらっしゃるでしょう。
なので、
ネーミングが「交流会」「懇親会」だと
いかにも「楽しんできま~す♪」って感じで
外出しずらい可能性がある。
罪悪感を覚えてしまう方もきっといる。
一方、「反省会」ならどうでしょう。
これなら、楽しみよりも責任や義務のニュアンスが強まり
出席しないわけにはいかない、という大義名分ができます。
つまり、
内容は交流会だとしても、
反省会の体(てい)で出かけることが
家庭平和的に重要。
そんな構図が浮かび、
「打ち上げ」って言いづらいときに、
反省会って使いますね。
名前に反して1ミリも反省はしませんがw
というフォロワーさんのコメントに
「そうか!」と、膝を打ったのです。
~ ~ ~
実は前に、
「おばあちゃんの原宿」と言われる
巣鴨地蔵通り商店街を取材したときも
同じような話を聞いたのを思い出しました。
お地蔵さんにお詣りできる商店街なので、
「私はただ遊びに来ているのではない。
家族のためにお詣りに来ているのだ」
という大義名分ができ、
それが、外出を可能にさせるんです、と。
~ ~ ~
先の反省会も巣鴨地蔵通り商店街も、
外出するために知恵を絞る女性たちの姿は
可愛らしいといえば可愛らしいけれど、
私の感覚では、
ちょっと悲しいし、ちょっと切ない。
何十年もがんばって生きて来て、高齢になって、
楽しみなことを「楽しみ!」と、
素直に言えない環境にいるって大変だな…と。
誰が、何が、
彼女たちをしばっているのかーー?
「反省会という名のお喋り会」とか
「夕方まで生お喋り」(←パクった上に古め)とか、
堂々と言えて、堂々と書ける。
そんなのびのびした環境で、
誰もが趣味を、人生を、楽しめたらいいんじゃないかなあ。
「反省会」の案内から感じた隠れた意図は、
いろいろな物事に潜んでいそうです。
今日はリンパマッサージという名の
激痛・身体メンテナンスに堪え、朦朧としている
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の
瀬戸川礼子でした。
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