5月4日。今日は「みどりの日」ですね。
数年前に聞いた、
養老孟司さんの「環境セミナー」でのお話をご紹介します
養老さんは、環境問題を考えるとき「空間定位」が大事です、と。
「たとえば、運転のへたな人は前の車しか見ていない。
対して、運転のうまい人は自分の車を軸として、
前や後ろや周りも意識し、空間を把握している。
これが空間定位です。
サッカー選手は最たるもので、
空間定位を意識していないと次の動きができません」
これは、
「自分は周りの中の一部である」という考えです。
「森の中で裸で暮らす人たちは、
森の一部として生きている。
そういう人たちの居る場所で
環境問題は起こりません。
ところが、自分を、
自分以外のものと切って考え始めると、
とたんに自分以外のものを乱暴に扱い出すんです」
たとえば、不法投棄をしたり、
自分の街に産廃施設ができるのを
嫌がる動きも同じですね。
自分と切り離しているから、
そういう行動になってしまいます。
という感覚があれば環境問題は起こらない、
と養老さん。
「空間定位」って難しい言葉だけど、
大切な考えだなと思いました。
そういえば、この「環境セミナー」で、
養老さんはのっけから言い放ちました。
「僕は環境という言葉が嫌いなんです」って。
主催者はずっこけてました。
嫌いな理由は、
「環境という言葉は大きすぎて曖昧だし、
他人事のようなニュアンスがあるから」
だそうです。
そう言われると、
うんなるほど確かに、そんな気もしました。
自分と自分外の間にいくつもの橋をかけておきたい
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
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